【菊花賞】サトノグランツ“理想型”の動き 想像も体感も超える好時計で勝負気配十分だ

さらに上昇し勝負気配が漂うサトノグランツ
さらに上昇し勝負気配が漂うサトノグランツ

◆菊花賞追い切り(18日・栗東トレセン)

 想像も体感も超える好時計。取材でこんな感触に触れると、グッと心を引き寄せられるし、実際に状態のいい証しとよく聞く。栗東・坂路でのサトノグランツの最終追い切りは、まさにその“理想型”と言える動きだった。

 序盤から楽な感じで、ラスト1ハロンを過ぎても手綱はまるで動かない。最後までバランスのいい身のこなしだったが、その直後に驚いた。時計は52秒7―12秒3。友道厩舎の当週は微調整が多く、今回も55秒ぐらいかなと思っていた。53~54秒を予定していた友道調教師も「見ていて遅いかなと思ったんですけど」と振り返るが、この好時計だ。

 トレーナーは「思っていたよりも時計が速かった。具合はいいと思います」と納得の表情で言葉を続けた。騎乗した大江助手も「感触以上にタイムが出ました。体幹をよく使えるようになって、一歩一歩の力が伝わるよになった。息の入りもよかったです」と説明。神戸新聞杯の当週も52秒1と時計は出たが、4か月ぶりで最後に気合をつけたためだ。今回は成長を物語るように自然と出た時計で、オーバーワークでないことも確認できた。

 ダービーに出走した春の時点から友道師は「この馬は(良くなるのは)秋だよ」と何度も口にしていた。神戸新聞杯の前には「いい形で本番へ向かえれば」と先を見据えていた。常に視線の先にあったのは父サトノダイヤモンドとの父子制覇を目指す、この舞台だ。「折り合いはつくし、スタミナもあるし、最後の瞬発力もある。三拍子そろった、いいところが長距離に向いていると思う。お父さんと一緒の勲章を取らせてあげたい」。勝負気配が漂う最後の一冠へ、万全の態勢で挑む。(山本 武志)

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