【エリザベス女王杯】4戦全て上がり最速!ブレイディヴェーグの末脚届く…大上賢一郎の見解

大上記者が本命に推すブレイディヴェーグ(カメラ・高橋 由二)
大上記者が本命に推すブレイディヴェーグ(カメラ・高橋 由二)

 【京都11R・エリザベス女王杯】過去10年で3着以内に入った30頭のうち、府中牝馬Sからの転戦が12頭。阪神開催の近3年を除くと、占有率は21頭中9頭とさらに上がる。この前哨戦が行われる東京・芝1800メートルと、今回の京都・芝2200メートル。共通点は非根幹距離(400メートルで割り切れない距離)ぐらいのように思えるが、ともにスタートから1コーナーまでに十分な距離があり、隊列が早めに決まると、ペースは落ち着く。

 さらに最後の直線も長く、持続力を伴う末脚勝負で差しも届く。勝つために求められるスキルが案外と似通ったコースで、関連性が高いのだろう。となれば、今年も府中牝馬S組? そう考えていると、同じ舞台を抜群の内容で勝っていた超新星候補に目が留まった。

 3歳馬のブレイディヴェーグが本命。デビューから4戦すべて上がり最速を刻んできた歩みは菊花賞馬のドゥレッツァと重なる。特に東京・芝1800メートルだった2戦目の初勝利が強烈。未勝利戦だけに今年の府中牝馬Sより前半1000メートルは2秒2遅いが、逆にラスト600メートルは0秒4速い。着差がつきにくいスローの瞬発力勝負で、2番手から2着に6馬身差をつける楽勝劇。並の馬では不可能だ。

 続く3戦目は前日の3歳上3勝クラスの勝ち時計を2秒2も上回る1分57秒9の好時計。そして、前走のローズSは後方からの競馬になったうえ、4コーナーで前が開かずに追い出しを待たされたが、勝ち馬の上がりを0秒3上回る末脚で2着まで猛追した。

 その勝ち馬、マスクトディーヴァが続く秋華賞でリバティアイランドに1馬身差まで迫ったことを考えれば、牝馬の頂点との力関係も推し量れようというもの。そのリバティの主戦で今回、同じ3歳馬のハーパーに騎乗する川田騎手が共同会見で「同世代で本当に強い馬が出てきていますので」と話す姿も印象的だった。1番枠から“変幻自在”なルメール騎手に導かれ、ゴール前の突き抜けを期待する。

 相手筆頭はサリエラ。京都の3コーナー坂上からのロングスパート合戦を得意とするディープインパクト産駒だ。1番人気の目黒記念(3着)では先週のアルゼンチン共和国杯を制したゼッフィーロと併せ馬で伸び、競り落とした。牝馬同士なら父から譲り受けた瞬発力が黙っていない。

 馬券は馬連で(1)―(13)(7)(3)(2)(11)(14)(6)。(大上 賢一郎)

 ▼ルメールに託す…ブレイディヴェーグはレース前日の11日は、滋賀・栗東トレーニングセンターの坂路をゆったりと駆け上がった。毛づやもよく、歩く姿もしっかりとしている。佐藤良助手は「左右の体のゆがみもないし、体を使って走れていた。特に大きな不安はないし、あとはジョッキーに託します」と晴れやかな表情。初のビッグタイトルへ態勢は万全だ。

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