【香港マイル】来年2月定年の安田隆行調教師ダノンザキッドで有終飾る

香港遠征は3度目となるダノンザキッド
香港遠征は3度目となるダノンザキッド
安田隆行調教師
安田隆行調教師

◆第33回香港マイル・G1(12月10日、シャティン競馬場・芝1600メートル)

 JRA海外馬券発売レースの香港国際競走は10日、シャティン競馬場で開催される。同競走3勝の安田隆行調教師(70)は定年前最後の香港遠征。

 一つの歴史が、もうすぐ幕を閉じる。日本人トップタイの香港国際競走3勝。安田隆調教師は暮れの香港で存在感を示してきた。来年2月末の定年引退を控え、ダノンザキッドと挑むマイルが愛馬を送り出す最後の一戦となる。「やはりうれしい思い出が多い場所ですし、いいイメージを持っていますよ」と、色気を隠さない。

 最高傑作が記憶を彩っている。12、13年のスプリントにロードカナロアで参戦。日本馬はそれまでに14頭出走も3着以内がなく、圧倒的に高い壁のレースだったが、2年続けて圧倒した。特に引退レースの13年は後続に5馬身差。「12年は地元馬の体がすごくて、こんな馬たちと一緒に走るのか、と思っていたんですけどね。13年は本当に『すごいな』ってだけで、直線を見ていました」。現地で「龍王」と呼ばれた愛馬は、世界最強のスプリンターとなった。

 そのラストラン直後。安田隆師は現地でこう言い残した。「今度は子供で再び香港のファンの皆さんの前に戻ってくることを約束します」。7年後の20年スプリント。そのDNAを受け継ぐダノンスマッシュで父子制覇を成し遂げた。「現地の方から『カナロアはやっぱりすごいんだな』と言ってもらいましたね」とうれしそうに振り返る。

 今回のダノンザキッドは13年カナロア、20年スマッシュと同じ5歳時での参戦。昨年末、今春に続く3度目の遠征になるが、過去2回の2000メートルからマイルに舞台を切り替えた。「マイルCS(5着)の内容がすごく良かったので、参戦を決めました。今は1600メートルの方が持ち味が生きると思う。一発何とかならんかな、と思っていますよ」。思い出が詰まった地で、有終Vという最高の結末を描く。(山本 武志)

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