【阪神11R・朝日杯フューチュリティステークス】全馬が阪神マイル未経験で、主導権争いを演じるであろうエコロヴァルツ、シュトラウス、セットアップは、前走が1800メートル戦。まだ脚質が定まらない2歳の戦いだけに、各馬の出方、並びはイメージしづらいが、前記の3頭は、いずれも前進気勢が強く、折り合いに対する心配からの距離短縮と思われるだけに、道中で無理に抑え込むことはせず、ペースが落ち着くことはなさそうだ。
とはいえ、阪神外回り施行になって9年間で、逃げ馬が馬券に絡んだのは1頭だけ(2016年ボンセルヴィーソ3着)。だが、差し優勢かというと、17年以降は4角8番手以下にいた馬の勝利はない。実は17年にホープフルステークスがG1に昇格。以降はよりスピードが求められる傾向に変わっており、序盤から前を目標に仕掛けていけるタイプを中心視するのが正解だろう。
本命は新馬、デイリー杯2歳ステークス連勝のジャンタルマンタル。スタート、二の脚を生かし、難なくインの好位に収まるセンスの良さに加え、直線で狭いところを割れる勝負根性を併せ持つ。内の3番枠を引いた今回、過去2走と同様のレースプランで臨めることはアドバンテージになる。先週の阪神ジュベナイルフィリーズを制したアスコリピチェーノが刻んだ1分32秒6はレースレコードだった。土曜の雨がどれくらい残るかがカギになるが、上質な筋肉を備えた好馬体に回転力の速いフットワークで、時計勝負にも、荒れ馬場にも対応できるだろう。
過去9年、前走でマイル重賞のデイリー杯2歳S、またはサウジアラビアRCを勝って参戦した馬は12頭を数え、4勝、2着3回、3着2回とハイアベレージで上位をにぎわせているデータも、この馬の好走を後押しする。川田への乗り替わりも大きなプラスファクターだ。
シュトラウスが相手筆頭。もまれる心配のない大外枠が逆にどう出るかだが、ピタリ折り合って運べば逆転もある。穴は中山、東京マイル連勝中のオーサムストローク。440キロ台とは思えない迫力の走法。父エピファネイア×母の父フランケルの配合は、いかにも阪神外回りが向きそうなスケール感にあふれ、一発の気配が漂う。
馬券は馬連(3)―(17)(8)(7)(6)(1)(5)(15)。(大上 賢一郎)
○…ジャンタルマンタルは16日、滋賀・栗東トレーニングセンターの角馬場で運動し、最終調整を終えた。最終追い切りは時計、動きともに絶好で、高野調教師は「精神的にも大丈夫。この馬は他の馬と違って、トレセンよりも競馬の日の方が体が増えてるんです」と、心身両方の充実ぶりに胸を張った。