【アネモネS・角田の特注馬】デビュー前から追いかけていたテウメッサがついに開花 桜花賞へ負けられない1戦だ

テウメッサ
テウメッサ

◆アネモネS・リステッド(3月10日、中山・芝1600メートル=2着までに桜花賞の優先出走権)

 中央競馬担当になってから1年あまり。美浦トレーニングセンターのスタンドで多くの追い切りを見てきたが、忘れられないインパクトを与えてくれた馬は数少ない。例えば昨年ダービー前のタスティエーラ、あるいはホープフルS前のレガレイラなどはその動きに完全にやられてしまったが、やはりと言うべきか、見事に2頭ともG1覇者となった。ファンの頃は調教を大して気にしてこなかったが、この仕事についてみるとその重要性に気づかされる。

 デビュー前のテウメッサ(牝3歳、美浦・金成貴史厩舎、父ハービンジャー)も、目を奪われた1頭だ。新馬戦の2週前追い切りだった昨年6月29日、美浦・Wコースでラスト1ハロン11秒3を記録したときの伸びがとにかく素晴らしく、慌てて馬名を確認したのを覚えている。その後、超大物だと周りに吹聴して回っていたが、1800メートルの新馬戦はまさかの2着。そして続いた2000メートルの未勝利も6着で自分の目に疑問を持ちそうになったが、レースを見れば明らかに距離が長かった。マイルに短縮した昨年11月の未勝利で3着に敗れたのはさすがにこたえたが、今思えばまだ素質に体がついてこなかったのだろう。

 前走、2月の未勝利では1頭次元が違う脚で2馬身半抜け出して圧勝。約2か月半空けたことでプラス14キロと体は成長し、ついにそのエンジンを全開にできるシャシーができあがってきた。今なら自信を持って推すことができる。ここは通過点。レベルの高い今年の牝馬クラシックだが、遅れてきた怪物の桜花賞の走りが今から楽しみだ。

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