【坂井瑠星 Shooting Star特別版】シンエンペラーと挑戦の日本ダービー 矢作厩舎の馬で勝つのが一番

シンエンペラーと世代の頂点を狙う坂井瑠星騎手
シンエンペラーと世代の頂点を狙う坂井瑠星騎手

 いよいよ今週は日本ダービーです! 僕自身は今年サウジダービー、UAEダービー、ケンタッキーダービーに騎乗したので、「ダービー」は4回目。やっぱりダービーは特別で、競馬サークルにいる人みんなが目標にするレースです。一つでも取りこぼしたら出られない可能性もありますし、まずその枠に入ることが大変。乗れることに感謝したいですし、その枠に入るということは、ジョッキーとしても大事なことです。

 そのなかでも、ケンタッキーダービーはレベルが違いました。当日は、今まで体感したことがない歓声。ジョッキールームの雰囲気や演出など、他のどの国、どのビッグレースとも違っていました。馬場入りのときの「マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム」の合唱【注】も、馬上ではっきり聞こえました。華やかさという意味では世界一です。

 去年の日本ダービーはドゥラエレーデとコンビを組みましたが、スタート直後に落馬してしまいました。芝のレースでは、ゲートで落馬したのは初めて。少なからず、前のめりな気持ちがあったのかもしれません。戒めとして、その瞬間の写真をスマホの待ち受けにしていた時期もあります。

 今年はシンエンペラーと挑みます。調教にはずっと乗っていましたが、レースで騎乗したのは前回の皐月賞が初めて。良くなる余地を残しながらでしたが、レースはスムーズに走ってくれました。改めて、能力の高さを感じましたね。ケンタッキーダービーに挑戦して3着だったフォーエバーヤングと同じ、藤田晋オーナー×矢作厩舎のチーム。馬は違いますが同じチームなので、日本のダービーでリベンジしたいです。

 シンエンペラーは凱旋門賞に登録していますし、今回の結果次第では挑戦する可能性もあると思います。夢が広がりますよね。能力が高いので日本でも適応していますが、より力を発揮できるのはヨーロッパかもしれません。セリのときから見ていますし、そういう馬でちゃんとダービーまでたどり着いたのがすごいこと。どの馬で勝つのもうれしいですが、矢作厩舎の馬でダービーを勝つのがもちろん一番です。

(JRA騎手)

 【注】ケンタッキーダービーでは、馬場入場の際に、観客全員でケンタッキー州の州歌である「マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム」を合唱することが伝統になっている。

最新記事

さらに表示
ニュース検索
馬トク SNSアカウント
  • X (旧Twitter)
  • facebookページ
  • Instagram
  • LINE公式アカウント
  • Youtubeチャンネル