◆第41回エプソムC・G3(6月9日、東京・芝1800メートル)
安田記念が終わり、今週末から函館競馬が開幕する。夏競馬の雰囲気が感じられる週だ。東京のメインは実力のある古馬がエントリーしているエプソムC。期待しているのはアルナシーム(牡5歳、栗東・橋口慎介厩舎、父モーリス)だ。
昨秋にカシオペアSを勝っているが、まだ重賞勝ちはない。2走前のダービー卿CTでは9着だが、後方から上がり3ハロンはメンバー2番目の33秒8の末脚で追い上げた。前走の都大路Sでは横山典弘騎手が騎乗して、しっかりと折り合うとインから鋭く伸びて2着になり、内容は近走では一番良かった。ここ2戦からも、ポジションを気にせず、直線まで脚をためる競馬がいいのだろう。
5月30日の1週前追い切りでは横山典騎手が騎乗し、栗東・CWコースで6ハロン76秒5―12秒0とものすごい時計を出した。橋口調教師は「あれだけ速い時計だったのに、ケロッとしていた」と目を丸くしていた。勝ち馬のドウデュースをはじめ好メンバーだった2歳時の朝日杯FSで4着と、素質は一級品。その力が、目覚めるときがきた。(山下 優)