◆第65回宝塚記念・G1(6月23日、京都・芝2200メートル)
苦い記憶がよみがえる。天皇賞・春の最後の直線。本命のディープボンドと対抗のテーオーロイヤルで「できた!」と思った瞬間に、後方から脚を伸ばしてきたのが印を抜いたブローザホーン(牡5歳、栗東・吉岡辰弥厩舎、父エピファネイア)だった。ノーマークにしたのは前走の阪神大賞典で折り合い面に不安を感じ、距離がどうかと思ったため。結果的に2着に割って入り、地力強化を痛感させられるレースになった。
今回も引き続き、舞台は京都外回りコース。昨秋の京都大賞典こそ競走中止だったが、その他では1、1、2着と連対率10割を誇る。先ほども書いたように折り合い面、母の父がデュランダルという血統面からも距離はプラスに出るとみる。さらに天気が微妙な時期だが、昨春は同舞台で不良馬場だった烏丸Sで5馬身差の圧勝だった。
中間はここ2走より坂路での追い切りを少し増やし、中距離仕様を意識した仕上げを施している。陣営も転厩3戦目で前2走より手の内に入れているはず。買い材料が多い今回は重い印を考えている。(山本 武志)