大物帰還(美浦)

さっそく馬場入りして調教を行ったアロンズロッド(カメラ・坂本 達洋)
さっそく馬場入りして調教を行ったアロンズロッド(カメラ・坂本 達洋)

 こんばんは、坂本です。本日は厳しい暑さから一転、大雨の美浦トレセンからお届けします。

 それにしても7月上旬でこの暑さですから、極暑の季語が使われる頃が思いやられますね。先週末は福島出張に出かけたのですが、日曜日は大変な暑さでありました。グリーンチャンネルのパドック解説に出演させていただいていましたが、パドックの蒸し暑さは人馬、ファンの方も大変そうでした。

 そんな私は水分不足などが原因で、またもや心身に不調をきたしてしまいました。土曜日の取材を競馬場で終えて、夜はパドック解説の資料の準備をしていましたが、遅い時間に一人で夕食を取ることに。宿の近くにある居酒屋の名物は鶏皮串で、せっかくだからとビールと鶏皮串を中心としたラインアップでおなかを満たしましたが、翌日に左足に若干の違和感。そして出張を終えた休みの月曜日、朝から外反母趾(ぼし)の痛みに襲われました。ここまでくると痛風じゃないのかと思いましたが、ひとまず痛み止めを飲んで沈静化。水分不足にプリン体の摂取が一因として思い当たるので、節酒を心がけねばとトホホな休日でありました。

 与太話はそれくらいにして本題へいきましょう。まずは国枝厩舎からです。今回は何と言っても7月11日にアロンズロッド(牡、父エピファネイア)が帰厩してきた話題でしょう。5月にゲート試験に合格した後、放牧を挟んで、3回新潟開催でのデビューを見据えて調整を進めていきます。5月の頃はメンタルの良さを強調していた国枝調教師は、「ずいぶん筋肉ができてきて、首の筋肉とかメリハリが出て力強さを感じる」と評価していましたね。7月12日の時点で「馬トクPOGグランプリ2024」の指名者数505人を数えるだけあって、注目度は高いと言えます。

 そして6月9日の東京での新馬戦で2着だったアルレッキーノ(牡、父ブリックスアンドモルタル)は、8月3日の新潟・未勝利戦(芝1600M)で初勝利を目指します。1ハロンの距離短縮で、今度こその構えです。来週くらいに帰厩する予定ということで、こちらもマークしていきます。

 そして新馬のレイデアンジェロ(牡、父レイデオロ、母レディアンジェラ)が、ゲート試験に合格した4月以来となる帰厩を果たしています。8月18日の札幌・新馬戦(芝2000M)でのデビューを目指していくそうで、7月11日は美浦・坂路で54秒7―12秒3を馬なりで初時計マーク。国枝師は「動きは良かったよ。距離はあった方がいい。しっかりしたつくりの馬だね」と、好感触を口にしていました。

 その坂路で併せた相手だったガルダイア(牡、父エピファネイア、母アステリックス)は、7月4日にゲート試験に合格して、素軽い動きを見せていました。17年のNHKマイルCの覇者で、18、19年の安田記念で2年連続2着など活躍したアエロリットの半弟という血統馬です。こちらにも指揮官は「いい感じだよ」と評価して、「メンタルが落ち着いているのが一番いい。(馬体の)つくりが少し細いけど、そういう体形なのかも。調教を進めていった時に、そのへんがどうかな」と語っていました。

 6月23日の福島での新馬戦で2着だったナクライト(牡、父アドマイヤマーズ)は、来週7月20日の福島・未勝利戦(芝1800M)で初勝利を目指します。マイルだった初戦は、逃げ粘って惜敗という内容でした。こちらは距離を延ばしますが、「今週の動きは良かったし、一度使われていいふうになっているよ」とトーンは上がってきています。

 ルージュナリッシュ(牝、父ドレフォン、母レッドラヴィータ)は、左前の骨瘤(こつりゅう)の良化を待って、ゲート試験を受ける予定とのこと。今年の中山記念を制したマテンロウスカイの半妹という血統で、伯父のレッドデイヴィスは11年の毎日杯など重賞3勝を挙げています。またサトノシャルレーヌ(牝、父サトノダイヤモンド、母ユーロシャーリーン)ソルデマジョ(牡、父ドゥラメンテ、母ポジティブマインド)は、秋のデビューになりそうということでした。

 最後に今週デビューの新馬を忘れずにご紹介。サルーポルティ(牝、父モーリス、母パララサルー)は、7月14日の福島・新馬戦(芝1800M)にスタンバイしています。最終追いで感触を確かめた丸山騎手は「バネはいいですよ。小柄で仕上がり早な感じです。なので、きれいな馬場がいいですね」とジャッジしていました。幸い今週末の福島は雨が降らなそうな予報なので、“追い風”になる気がしますね。

 次は宮田厩舎です。新馬のヴァサヴォワール(牡、父アルアイン、母アナアメリカーナ)は、7月28日の新潟・新馬戦(芝1800M)を目標に調整を進めています。半兄メイソンジュニアは、17年のニュージーランドTで2着に好走して、短距離路線でオープンまで出世しました。宮田調教師は「まだ重さが残る現状ですが、まだまだこれからやりつつ、良くなってくれれば。もしかしたら1週延ばしたり、(新馬戦の番組は)流動的に考えようかなと思います。馬自身は素質がありそうですよ。仕上がり早というタイプではなく、徐々に良くなっていきそうです」と評価していました。

 アンダーザライト(牡、父サートゥルナーリア、母オリエンタルリリー)は、ゲート試験に合格後も在厩で調整を進めています。夏の新潟開催の芝1600M、芝1800Mでのデビューを見据えつつ、具体的な番組は仕上がり具合を見ながら検討していくそうです。

 ウィッシュツリー(牝、父フィエールマン、母ピースエンブレム)は、7月5日にゲート試験に合格しました。この後は一度放牧に出して、体力強化を図っていくことになりそうです。伯母に08年の秋華賞馬ブラックエンブレムがいる血統で、指揮官は「フィエールマン産駒らしい脚長で軽さのある馬。芝のマイルから中距離くらいで、切れる脚を使えるように育ってほしいですね」と、期待を込めていました。

 そしてヴィリアの22(牝、父モーリス)も、7月5日にゲート試験に合格しています。こちらも放牧に出されて、デビューに向けてパワーアップを目指していくそうです。宮田師は「シルエットもすごくきれいで、気性も素直ですごくいい馬。ただ、まだ体力的に足りない感じです。秋デビューになりそうですね」と、素質を評価したうえで見通しを教えてくれました。

 それでは今日のところはこのへんで。

最新記事

さらに表示
ニュース検索
馬トク SNSアカウント
  • X (旧Twitter)
  • facebookページ
  • Instagram
  • LINE公式アカウント
  • Youtubeチャンネル