福島競馬場はコロナ禍に加え、一昨年は福島県沖の地震で施設が破損し、春開催が新潟に振り替えられた。昨春も地震の影響で無観客。観戦機会が少なかったこともあり、今年の夏開催は初日の1日から多数のファンが訪れた。特に盛況なのが、映(ば)えるグルメが楽しめる馬場内広場の「馬え#グルメフェス」。福島県産食材を使用するキッチンカー「POP―UP」の渡辺一也代表は「昨年の夏、初めて競馬場内で出店しましたが、その時はまだ静かな印象でした。今回はお客様の明るい笑顔を見られて雰囲気も全然違います」と、盛り上がりを実感する。
緑色の1号カーでは、本格釜で焼きたてのピザを提供。旬を迎えた会津産アスパラや、常磐沖で水揚げされたシラスなどのトッピングが好評だ。本紙の角田晨記者もアスパラピザ(1200円)に「仕事中じゃなければビールと一緒に味わいたい!」と舌鼓。いわき市に住む渡辺代表は「震災復興に、いわき市からもできることはないかとキッチンカーを作り、地元食材を使うことで福島の応援とPRになればと始めました」と話す。
ピンク色の2号カーでは、季節の果物をふんだんに使ったパフェやクレープが人気。同代表は「甘くておいしくても、形が悪いと値段がほとんどつかず、ジュースなどの加工品になることが多い。でも、果実そのものを味わってほしいので、農家のみなさんの協力のもと、値段も安く提供することができました」と語る。開催後半は桃のパフェ(800円)が登場。地元の愛情がたっぷり詰まった食材を、白熱のレースとともにかみしめたい。(松井 中央)