こんにちは、坂本です。今週も札幌からお届けします。
さて先日、せっかく出張に来ているというので、静内や日高の馬産地に足を運びました。01年の宝塚記念を制して、今は引退馬として悠々自適な日々を送っているメイショウドトウを夏競馬の企画で取材させてもらい、週明けの水曜日16日のスポーツ報知の紙面に掲載予定です。興味のある方はぜひ、ご一読いただけたら幸いです。
そしてメイショウドトウがけい養されている養老牧場「ノーザンレイク」さんは、昨夏にこの世を去ったタイキシャトルの取材で昨年もうかがわせていただいていました。いろいろとお世話になったお礼を重ねて伝えつつ、せっかくだからとシャトルが眠っている新ひだか町にある桜舞馬公園(オウマイホースパーク)にあるお墓をお参りすることに。広々とした敷地に数々の名馬のお墓が並んでいて、静かなのはもちろんのこと、どこか厳粛な空気が漂っていました。私自身は初めて訪れたのですが、競馬ファンなら足を運んでみてほしい場所であります。
そんなところでそろそろ本題へいきましょう。今週は土日に1鞍ずつ新馬戦が組まれていますが、日曜の5R(芝1800M)はなかなか興味深いメンバーがそろっています。まず高橋忠厩舎のサクソンジェンヌ(牝、父サクソンウォリアー、母ナイトドライヴ)は、血統的な魅力に加えて、仕上がりの良さも目を引きます。札幌・芝コースでの最終追い切りで感触を確かめた富田騎手に聞くと、「動きはいいですし、乗りやすくて言うことないです。どれくらいやれるか楽しみです。洋芝は問題ないでしょう」と、トーンの高い話が聞けました。
そして武井厩舎のアーバンシック(牡、父スワーヴリチャード、エッジースタイル)も、筋の通った母系が光ります。3代母にウインドインハーヘアがおり、ディープインパクトなど活躍馬が多い一族です。まだ気性面の幼さなど課題はあると指摘したうえで、武井調教師は「能力はあるけど、我が強いですからね。まともに走れれば勝てると思いますが」と、馬っぷりなど素材の良さは認めています。実戦にいってどんな競馬をするのか、気になるところです。その他では昆厩舎のマテンロウノカゼ(牡、父ドゥラメンテ、母ゼフィランサス)が、21年の阪神大賞典やフォア賞を制したディープボンドの半弟という血統馬。こちらは函館で調整を進めてきた馬ですが、Wコースでしっかりと本数を重ねてきて、要注目でしょう。
そして土曜日の5R(芝1500M)にも、武井厩舎のカリーシ(牝、父モーリス、母ラクアミ)がスタンバイしています。こちらについて武井師は「動きはよかったし、しっかりと走りきれている。週末の天気が良さそうで、軽い馬場はいいですね。センスもいいし、スタートも速い」と合格点を与えていました。
せっかくだからと他の2歳馬の取材をしたところ、グランオルカ(牡、父Liam’s Map、母Layla)は、8月27日の新潟新馬戦(ダート1200M)を目指していくとのこと。「いいですよ。落ち着きがあるし、順調にきています。ゲートも速いです」と評価しています。ホワイトシップ(牡、父ゴールドシップ、母クラウンハンター)は、9月2日の新潟新馬戦(芝2000M)が目標。「ゴールドシップ産駒で荒れた馬場が得意だと思うので、最終週は合うと思います。気持ちの面も悪くないし、やりやすい部類ですよ」とみています。
またヘヴンリーハンド(牡、父オルフェーヴル、母アンシェリゼ)は、9月10日の中山新馬戦(ダート1800M)でのデビューを目指していくそうです。そしてタナバタ(牡、父ルーラーシップ、母フェアリーダンス)も、秋の4回中山開催デビューを考えていくとのことでした。こちらは20年の中山牝馬Sや福島牝馬Sを制したフェアリーポルカやオープンまで出世したココロノトウダイなどがきょうだいにいる血統ですね。
そして今週の日曜日に行われる2歳オープンのコスモス賞(芝1800M)は、地方馬を含めて8頭立てというメンバーになりました。登録のあった小野厩舎のコスモブッドレア(牡、父ゴールドシップ、母コスモバタフライ)は、函館で調整中でしたが、残念ながら右前脚のソエによる炎症などで回避することになりました。それでも同じビッグレッドファームの所有馬のコスモディナー(牝、父ダノンバラード、コスモミール)が、なかなかいい雰囲気をアピールしています。今週の札幌・芝コースでの最終追い切りは併せ馬で最先着。松岡騎手が「競馬を想定して追い切りで、反応がよかったし、ゴール板を過ぎた後も余裕があった」と、好感触を教えてくれました。7月16日の福島の新馬戦では、12番人気の低評価を覆す激走Vでしたが、今度は堂々と主役候補を張ることになるでしょう。
それでは今日のところはこのへんで。