出世レース(美浦)

カリーン
カリーン

 こんばんは、坂本です。今日は美浦から帰っての在宅勤務でお届けします。

 さて、先日は高校時代の友人と久々に旧交を温めました。よく新宿三丁目あたりで昔は飲んでいましたが、昔のまま元気なお店もあれば、寄席の末広亭周辺はずいぶん新しいお店も入ってきた印象でした。

 私も今年で42歳になりましたが、大学時代によく顔を出していた居酒屋で飲んでいることを考えると、このお店も何十年前からあるんだなあ、と珍しく感傷的な気分になりました。そしてほろ酔い気分でJR新宿駅の東南口へ向かい、改札外に公衆トイレがあるのを見つけて立ち寄ると、「このトイレは、日本中央競馬会環境整備事業の補助を受けて、整備しました 新宿区」というプレートが掲示されていました。情けは人のためならず―。我々競馬ファンの“浄財”が、このような形で社会に役立っているのだなあ、と何かと感慨深い一日でした。

 それではぼちぼち本題へいきましょう。まずは手塚厩舎です。今週の土曜日の東京9R・アイビーSにマスカレードボール(牡、父ドゥラメンテ、母マスクオフ)がエントリーしています。8月の新潟での新馬戦は、粗削りな面が目立つ内容でしたが、大外一気の脚は素質の片りんを感じさせました。手塚調教師は「ハミを替えて、(まだ調教で)少し内にもたれるところはあるけど、改善されてきている。1回使って体力はついているし、1800Mも許容範囲。スタートが決まれば、好位につけられると思いますし、あんなに後ろから行くこともないですからね」と手応えを口にしていました。8頭立てという少頭数ですが、血統馬がそろっており、出世レースと言われるにふさわしい一戦になりそうです。

 そして同日の東京5R・新馬戦(芝2000M)には、新馬のリリカルガンマン(牝、父フィエールマン、母サンタフェチーフ)が初陣を迎えます。祖母ザルデンティゲリンはドイツの重賞勝ち馬で、近親にはサリオスやサラキアなどの活躍馬がいる血統馬ですね。指揮官は「水準の力はありそうです。長いところが合っていそう」と、適性を評価しています。

 そして9月の中山で新馬勝ちしてアルテミスSに向かうブラウンラチェット(牝、父キズナ、母フォエヴァーダーリング)は、10月10日に帰厩して、順調に調整を進めています。言わずと知れたフォーエバーヤングの半妹です。手塚師は「使って間もないので、体は変わらない。1600メートルでも対応できると思います。頭もいい子ですからね。もともと東京がいいと思っていた」と、切れ味を発揮できそうな舞台を歓迎しています。どんなパフォーマンスを見せてくれるか、楽しみですね。

 来週の東京でデビュー予定のビリングス(牡、父フィエールマン、母トレジャーステイト)は、デビュー3連勝で22年の毎日杯を制したピースオブエイトの半弟という血統です。今週は美浦・Wコースで6ハロン84秒0―11秒4でびっしりと追って、しっかりと時計を出しています。指揮官は「スタートは遅いかもしれないけど、二の脚はつきそうだからね。ひと追いごとに良くなっていますよ。距離は長い方がいい」と、評価しています。

 次は宮田厩舎へいきましょう。こちらも土曜の東京5R・新馬戦(芝2000M)でウィッシュツリー(牝、父フィエールマン、母ピースエンブレム)をデビューさせます。伯母のブラックエンブレムは、08年の秋華賞の勝ち馬です。母はダートの1600~1800Mで4勝を挙げています。宮田調教師は「背中はいいです。馬は柔らかすぎるくらいで、まだ成長は必要かもしれませんが、フィエールマン産駒らしく脚長で芝の中距離で走れそうな雰囲気」と現時点で評価しており、奥手そうかなとも話していました。

 また9月1日の新潟で新馬勝ちしたエンジェルマーク(牝、父エピファネイア、母ステファニーズキトゥン)は、戸崎騎手で百日草特別(11月3日、東京)へ調整を進めています。「体は前回と比べて、余裕のある状態で帰ってきました。テンションも大丈夫です」と、雰囲気は良さそうですね。

 新馬のオルグジェシダ(牝、父モーリス、母ソシアルクラブ)は、5回東京開催の2、3週目でのデビューを目指しています。祖母ブエナビスタという良血馬です。宮田師は「(ゲート試験を受けた当時と比べて)馬は良くなっています。サイズアップした感じはあります。まだ馬体に弱さを感じるので、状態を見ながら進めていきます」と語っていました。

 同じく新馬のダノンエンブレム(牡、父エピファネイア、母ダノングレース)は、叔父に23年の京都新聞杯、神戸新聞杯を勝ったサトノグランツがいる血統です。10月上旬から坂路やWコースで軽く動かし始めましたが、「すぐ歩様が良くなくなって…」と慎重に進めていくことになりそうです。

 8月24日の新潟での新馬戦で4着だったカーラデマドレ(牝、父ドレフォン、母ディアデラマドレ)は、10月27日の東京・未勝利戦(芝1600M)で初勝利を狙います。こちらも筋の通った母系を誇る一頭です。宮田師は「前回も仕上がりは足りていましたが、結果を出せなくて、1回使った方が良くなっています。今度こそいい結果を出せれば」と、力を込めていました。

 そして最後に今週の取材の感触の良かった馬を一頭、ピックアップします。蛯名正厩舎のカリーン(牝、父デクラレーションオブウォー、母ムニラー)で、日曜日の東京2R・未勝利戦(牝馬限定、芝1600M)にエントリーしています。中山でのデビュー戦は、好位で立ち回って5着でした。蛯名正調教師は「使ったぶん、いいんじゃない。上積みはあると思います。(初戦で見せた)レースセンスは良かったし、競馬が上手だからね」と、好感触でしたよ。

 それでは今日のところはこのへんで。

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