【香港スプリント能力分析】香港チャンピオンスプリンターのカリフォルニアスパングルが怖い存在

カリフォルニアスパングル(カメラ・高橋 由二)
カリフォルニアスパングル(カメラ・高橋 由二)

 香港スプリント・G1が12月8日に迫った。過去5年の調教国別成績は、香港が4勝、2着4回、3着5回と断然優位。その壁は厚く、日本がどうにか1勝、2着1回と割って入る情勢だ。カーインライジングについては前哨戦分析をご覧いただくとして、ここではその他の香港勢をチェックしたい。

 カリフォルニアスパングル(セン6歳、香・Aクルーズ厩舎)は2023/24年シーズンの香港チャンピオンスプリンター。当地でクイーンズシルヴァージュビリーC・G1(芝1400メートル)を、UAEでアルクオーツスプリント・G1(芝1200メートル)を制した。4月のチェアマンズスプリントプライズ・G1では道悪かつハイペースのタフな条件ながら先行策からしぶとく粘って2着。

 2022年の香港マイル・G1ではゴールデンシックスティを撃破。例年なら首位候補の扱いとなる実力馬だが、近2走はカーインライジングに敗れている。ただ、前哨戦のジョッキークラブスプリント・G2はスムーズに先行できず、ちぐはぐな走りでの8着だった。先手を取れれば怖い存在だ。

 ヘリオスエクスプレス(セン5歳、香・サイズ厩舎)は今年の香港クラシックマイルと香港クラシックC(芝1800メートル)の勝ち馬。香港4歳クラシックシリーズ三冠が懸かった香港ダービーで8着に敗れたのち、スプリント路線に転向。プレミアボウル・G2で2着、ジョッキークラブスプリント・G2は3着と短距離戦への適性を示している。

 ハウディープイズユアラブ(セン5歳、香・サイズ厩舎)は前哨戦のジョッキークラブスプリント・G2で2着。追い込み脚質で、その末脚は鋭い。春のチェアマンズスプリントプライズ・G1は5着だったが、道悪の影響で決め手が鈍った感もある。良馬場なら怖い。

 日本調教馬で過去に3着以内に好走した馬には京都芝重賞の勝ち鞍があった。ルガル(牡4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)は京都のシルクロードS・G3で重賞初制覇。前走のスプリンターズS・G1は休み明けながら好位から伸びてG1初勝利を決めた。

 トウシンマカオ(牡5歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)はスプリンターズS・G1でルガルからクビ差の2着。昨年、京都の京阪杯・G3ではルガルより2キロ重い58キロを背負いながら2馬身差の快勝を収めた。ルガルとともにスプリンターズS・G1では今回対戦するビクターザウィナー(セン6歳、香・シャム厩舎)に先着。ここでも引けを取らないはずだ。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月8日(日)16時45分から、ラジオNIKKEI第2「香港国際競走実況中継」に出演予定。

最新記事

さらに表示
ニュース検索
馬トク SNSアカウント
  • X (旧Twitter)
  • facebookページ
  • Instagram
  • LINE公式アカウント
  • Youtubeチャンネル