◆第38回新潟2歳S・G3(8月26日・芝1600メートル、新潟競馬場)
第38回新潟2歳S・G3(26日、新潟)で、兄妹制覇を狙うのがゴールドヘイロー産駒のスティルネス(牝2歳、美浦・小島厩舎)。15年覇者の半兄ロードクエストは4馬身差Vの強烈なパフォーマンスで、のちのNHKマイルCでも2着に入る活躍を見せた。兄も手掛けた小島茂之調教師(50)にきょうだいとの違いや意気込みなどを聞いた。(取材・構成=石野 静香)
―スティルネスは福島・芝1200メートル戦で新馬勝ち。発馬はひと息でしたが、大外を回って2馬身半差の快勝でした。
「あんなに上手な競馬ができると思わなかった。センスがありますね。オーナーサイドも『これは大事にしていった方がいい』と。期待に応えられるものを持っている。そのままを大事にしていきたい」
―「そのまま」とはどういうことでしょうか。
「これまで、人間の方が2戦目で力が入り過ぎて失敗することが多かった。2歳馬は仕上げ過ぎないことが大事。素の状態の方がいいんです。負けるまでは、今のままでいいよ、と人馬に言い聞かせています」
―半兄ロードクエスト(父マツリダゴッホ)は15年の優勝馬。同ロードトレジャー(父プリサイスエンド)、半姉ヴァルツァー(父ジャングルポケット)ときょうだいを管理しています。
「ロードクエストよりもロードトレジャーに似てるかな。トレジャーは調教でコースを走らせてから角馬場に入れて落ち着かせていた馬。普通は逆なんですけどね。そこまでではないけれど、気難しいところはある。みんな種馬が違うからタイプも異なりますね」
―同馬は父がゴールドヘイローに替わりました。
「産駒は背中がいい馬が多くて、僕は好きな種馬ですよ。ただ、これまで何頭かやらせてもらいましたが、ひざが弱かったり、ソエ(骨膜炎)が出る馬が多かった。トウケイヘイローもそうだったよね(屈腱炎で引退)。この馬は一度深管(骨りゅう)が出たくらいで、あとは何もない。この産駒にしては脚元が丈夫です」
―初戦の1200メートルから距離が400メートル延長されます。
「兄のロードクエストはだんだんと短距離志向が出てきて、実際に1200メートルも使ったが、本当の1200メートルの馬ではなかった。この子もそうだと思います」
―1週前は初コンビの三浦を背に美浦・Wコースで4ハロン55秒2―12秒8を計時。状態はどのように映りましたか。
「反応を見るついでに仕上げてもらった。内面的にしんどいところも出てきたが、調整は順調。きょうだい制覇もかかっていますが、人間の方が気が入り過ぎないようにしたいです」
◆小島 茂之(こじま・しげゆき) 1968年2月15日、東京都生まれ。50歳。93年7月に美浦・嶋田功厩舎で調教厩務員になり、浅野厩舎、岩城厩舎の調教助手を経て、02年に調教師免許を取得し、03年3月に厩舎を開業。JRA通算266勝。重賞は08年秋華賞(ブラックエンブレム)などG1・2勝を含む6勝。今年は16勝をマーク。