【ザ・馬術】障害馬術の武田麗子、夫婦で五輪3大会連続出場目指す

3大会連続の五輪を目指す障害馬術の武田麗子。今回は大岩義明(左)との夫婦での出場が懸かる(中央は左からリオ、東京、ロンドンの五輪マスコット)
3大会連続の五輪を目指す障害馬術の武田麗子。今回は大岩義明(左)との夫婦での出場が懸かる(中央は左からリオ、東京、ロンドンの五輪マスコット)

 3大会連続の五輪出場を目指す障害馬術の武田麗子(35)=杉谷乗馬クラブ=は17年7月に総合馬術の大岩義明(43)=nittoh=と結婚。翌18年3月には長男が誕生。母として“初出場”を狙う東京五輪は夫婦そろっての目標。現在はドイツに拠点を置き、6月の代表選出に向けて、夫婦で協力しながら競技生活を続けている。

 武田は27歳で出場した12年ロンドン五輪は1次予選で敗退。16年リオ五輪は3次予選で途中棄権している。結婚前に出場した2大会を武田はこう振り返る。

 「ロンドンのときは私の頭が真っ白に。設置されている障害はヨーロッパを転戦していても、なかなか見ない派手なものがポンポンと置いてあって、観客も、メディアも多い。独特な雰囲気に飲み込まれ、冷静な判断ができませんでした。リオは馬自体がレベルの高い大会に慣れていなくて、大きな舞台もその子にとって初めてで。無理させたくない思いで棄権しました」

 リオ五輪の1年後に結婚。18年3月31日に長男の陵宗(たかむね)くんが誕生した。ドイツで保育園の送り迎えなど子育てと並行してトレーニングをして、ママさんライダーとして、東京の舞台を目指す。

 「(2013年に)東京(五輪)が決まった時はドキドキはしました。夫婦で同じゴールを目指して進めるのは、すごくラッキーというか、人生で幸せなこと。馬も子供も日々接して教えること、私たちが教わること、どちらもたくさんあります。息子も動物が大好きで、馬を見ると『パカパカ』と言いますね」

 出場した試合の後は、大岩と一緒にVTRを一緒に見て研究。総合馬術チームを長らく引っ張ってきた夫からアドバイスをもらって、レベルアップにつなげてきた。

 「夫は細かいところまで極めようと普段から努力して観察力、吸収力がすごくあると思います。これを心がけたら、こうした方がいいなど、いくつも改善点を言ってくれたりして、それはすごく助かっていますよ」

 母として、障害馬術の選手として、どちらもベストを尽くしてきたが、夫とともに目指す夢舞台は周囲の協力なくして見えてこない。

 「試合の間、子供を見てもらったり、両立は周囲のサポートのおかげで、感謝しかありません。東京五輪に出場できたら感動を与えられる舞台にしたいと思います。また、ママになっても目標を立てて夢に向かって頑張れる勇気、希望になれたら」

 開幕まで半年を切った東京五輪の出場枠は障害、馬場、総合の各種目で3人馬ずつ。夫婦でそれぞれ連続出場を実現し、最初で最後であるだろう自国開催のオリンピックで感謝の気持ちを示す。(内尾 篤嗣)

 ◆武田 麗子(たけだ・れいこ)1984年12月14日、兵庫県神戸市生まれ。35歳。父・国男氏は武田薬品工業元会長。12歳から乗馬を始める。甲南大卒業後にベルギーに渡り、現在はドイツを拠点に活動。151センチ、47キロ。

 <夫大岩は総合馬術エース 4大会連続「狙っていく」>

 ○…夫の大岩は総合馬術の日本のエースで、4大会連続の五輪出場を目指している。「妻が食事をつくれなかったら、僕がつくったり。朝、彼女が保育園に子供を送った後に部屋に掃除機かけて、トレーニングに行ったりしています」と競技、家事の両方で武田をサポート。強く意識するのは3人馬で臨む団体のメダルで、「狙っていきたい。(1932年ロサンゼルス五輪、障害馬術で金メダルの)バロン西(西竹一)さん以来、馬術ではないですからね」と88年ぶりの快挙に挑む。

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