【CBC賞】今村聖奈騎手が重賞初騎乗V 五十嵐忠男調教師「どんな心臓しとんねん」

検量室前に引き揚げてきた今村聖奈(右)。重圧から解き放たれた表情を見せた
検量室前に引き揚げてきた今村聖奈(右)。重圧から解き放たれた表情を見せた
五十嵐調教師は聖奈の騎乗ぶりを絶賛
五十嵐調教師は聖奈の騎乗ぶりを絶賛

◆第58回CBC賞・G3(7月3日、小倉・芝1200メートル、良)

 第58回CBC賞・G3が3日、小倉競馬場の芝1200メートルで争われ、48キロのハンデを背負ったテイエムスパーダが日本レコードで3馬身半差の逃げ切りVを飾った。ルーキーの今村聖奈騎手(18)=栗東・寺島厩舎=は重賞初騎乗Vの快挙を達成。続く小倉12Rの連続勝利で通算19勝目を挙げた。

 トレーナーの“想像”を超えるレコード決着だった。テイエムスパーダと今村のコンビは、序盤の3ハロンを31秒8のハイペースで果敢にハナを奪った。「びっくりした。さすがに止まると思ったけど…」。だが、五十嵐調教師の予想は、3歳牝馬と18歳の若きヒロインのコンビに覆された。

 4コーナーから後続との差を徐々に広げ、直線でも脚いろは全く衰えない。「4角を回って『これは残る』と。ラスト1ハロンで『勝った』と思った」と快挙達成を確信。「言うことないでしょ」と騎乗ぶりに目を細めた。

 スパーダとデビュー3戦目(あざみ賞)から、4走続けてコンビを組んでいたのは国分恭。だが、今回は48キロの軽ハンデで、騎乗可能な適任者がおらず、当初は自厩舎のシホノレジーナで重賞初挑戦予定だった今村に白羽の矢が立った。「(スタートを)出たら行けばいい。スタートだけ気を付けて」とレース前はシンプルに言葉をかけたトレーナー。「48キロで変にためるより、(逃げて)それで止まったら仕方ない」と腹をくくって送り出した。

 「1200メートルは合っていると思うが、あのスピードを生かした聖奈ちゃんがすごい。どんな心臓しとんねん」と感服しきり。「緊張しないなんて大したもの。初重賞で自信を持って乗ったなんて大物だね」とルーキーの“神騎乗”を褒めたたえた。

 馬の状態を確認しながらだが、次走は同舞台で争われるサマースプリントシリーズ第4戦の北九州記念(8月21日、小倉)を視野に入れる。夏のスプリント女王の座を目指し、スパーダの熱い戦いは続く。(戸田 和彦)

 ◆テイエムスパーダ 父レッドスパーダ、母トシザコジーン(父アドマイヤコジーン)。栗東・五十嵐忠男厩舎所属の牝3歳。北海道浦河町・浦河小林牧場の生産。通算7戦4勝。総収得賞金は8104万7000円。重賞初勝利。馬主は竹園正継氏。

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