米競馬の祭典、ブリーダーズCは現地時間4、5日、米カリフォルニア州のキーンランド競馬場で開催される。今年はチェーンオブラブ(牝5歳、美浦・小笠厩舎)が日本勢唯一の遠征。牝馬限定のフィリー&メアスプリント・G1(現地時間5日、ダート1400メートル)に参戦する(スプリントにも予備登録済み)。国内重賞も未勝利ながら、小笠調教師は「とても馬が充実している。可能性にかけたい」と、素質や適性を見込んでチャレンジを決めた。
デビュー当初は一貫して芝路線を歩み、20年オークスでも後方から6着まで追い込むなど、豊かなスピードと決め手に光るものを見せた。その後は芝の3勝クラスで不振に陥ったが、ダートに初投入された昨年12月のアクアラインSで鋭く追い込み、8番人気で完勝V。指揮官は「男馬相手にはどうかなというので使い出しは遅くなったが、衝撃的な勝ち方で本当に一発回答でした」と驚き、砂適性の確信をつかんだ。
今年に入ってサウジアラビアのリヤドダートスプリント(3着)、ドバイ・ゴールデンシャヒーン(4着)と積極的に海外遠征。米国のダートは日本の砂に比べてよりスピードが要求される舞台で、小笠師は「サウジとドバイの遠征で精神的タフさが備わった。海外のダートは馬力一辺倒より、芝でも走れるスピードのある馬が対応できる」とみる。昨年、ラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌが日本勢初勝利を挙げた大舞台で、胸の高鳴る走りを誓う。(坂本 達洋)