【香港マイル能力分析】日本馬の前に立ちはだかる香港勢は強力

 G1香港マイルが12月11日に迫った。過去5年の調教国別成績を見ると、香港が4勝、2着4回、3着3回。日本が1勝、2着1回、3着2回と、2つの国による争いとなっている。香港のゴールデンシックスティ(セン7歳、香・ルイ厩舎)については前哨戦分析をご覧いただくとして、小欄ではその他の有力馬を取り上げたい。

 カリフォルニアスパングル(セン4歳、香・クルーズ厩舎)は香港4歳クラシックシリーズ2戦目の香港クラシックC(芝1800メートル)を制覇。4月のG1チャンピオンズマイルではゴールデンシックスティの2着に好走した。

 衝撃的だったのが2走前のG2シャティントロフィー(芝1600メートル)。ハンデ60・5キロを背負いながらハナに立って前半800メートルを47秒78、後半800メートルを45秒63の高速上がりで押し切った。前走のG2ジョッキークラブマイルはゴールデンシックスティからクビ差の2着だったが、自身の後半800メートルは44秒83。高い先行力に加えて決め手も鋭い。2017・2018年の香港マイルを連覇したビューティージェネレーション級とは言い過ぎかもしれないが、相当な大器であることは間違いない。

 ワイクク(セン7歳、香・サイズ厩舎)はG1・3勝。昨年のG1香港マイルは7着と案外だったが、気難しい馬だけに直前の乗り替わりが痛かった。実際、次走のG1スチュワーズC(芝1600メートル)では当時の主戦パートン騎手が手綱を取ると、ゴールデンシックスティを破って同レース2勝目を挙げた。前走のG2ジョッキークラブマイル(3着)に引き続き、今回はシルベストル・デソウサ騎手とのコンビ。英国で3度もチャンピオンジョッキーに輝いた名手だけに期待は大きい。

 日本勢は苦戦を強いられそう。3連覇を狙うゴールデンシックスティは健在で、仮に同馬が遅れてもカリフォルニアスパングルを差し切るのは容易ではない。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月11日(日)ラジオNIKKEI第1「香港国際競走実況中継」に出演予定。

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