芝向きの素質が大きく開花するかもしれないのがバグラダス(牡3歳、美浦・嘉藤貴行厩舎、父マジェスティックウォリアー)だ。
22年7月に福島のダート1150メートルで新馬勝ち。騎乗した戸崎圭太騎手が芝向きの走りを感じ、2戦目はいきなり芝の新潟2歳S・G3に投入されて、勝ち馬とわずか0秒3差の4着と善戦した。そこで22年に開業したばかりの嘉藤調教師は「次も芝を使うと思います」と明言。同年11月の1勝クラスでは4番手から鋭い脚を繰り出して勝ちきった。ダートの初戦、芝初戦となった新潟2歳Sもともにハナを奪う競馬だっただけに、先行しての勝利は幅が広がるものだった。
ルーキーイヤーのトレーナーだったが、朝日杯FSでいきなり初年度ながらG1に参戦。そこで一気にメンバーは強くなったが、5着と見せ場は十分だった。
生産牧場で馬主でもある村田牧場の村田康彰専務は「デビューした年にこんなに勝つなんてすごいことですよ」と嘉藤調教師の厩舎運営能力を高く評価する。馬房数わずか12で16勝(12月23日時点)。「他の関係者の方からも嘉藤調教師を紹介して欲しいという声が挙がっています」とも話す。その厩舎の中心にいるのはもちろんバグラダス。芝に舵を切って躍進を遂げるマジェスティックウォリアー産駒はまだまだ伸びしろがありそうだ。(恩田 諭)