22年度JRA賞発表 最激戦となった最優秀障害馬部門の決め手は?

障害G1で9勝を挙げて引退したオジュウチョウサン
障害G1で9勝を挙げて引退したオジュウチョウサン

 2022年度のJRA賞が10日、発表された。年度代表馬は天皇賞・秋と有馬記念を制したイクイノックス(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎、父キタサンブラック)。22年は皐月賞、日本ダービーの連続2着も含めてすべてG1を走って4戦2勝、2着2回。文句のつけようがない成績で、フタを開けると総投票数288票中、282票を獲得。満票にこそ届かなかったが、順当な結果だったと言える。

 逆に最も激戦となったのは最優秀障害馬部門だ。オジュウチョウサン(牡11歳、美浦・和田正一郎厩舎、父ステイゴールド)が138票で16~18年と昨年に続く5度目の栄冠に輝いたが、次点は中山大障害を勝った137票のニシノデイジー(牡6歳、美浦・高木登厩舎、父ハービンジャー)。1票差はJRAが確認できた04年以降では最少差だった。

 最優秀障害馬は例年、春の中山グランドジャンプの勝ち馬より、暮れの中山大障害を勝った馬の方が受賞しやすい傾向にある。投票権を持つ記者は、できるだけ客観的に、と考えてはいるものの、投票に近いレースの好パフォーマンスの方が脳裏に焼き付くのは、やむを得ない面もある。

 オジュウチョウサンはそうした傾向を覆した。引退レースの中山大障害で6着に終わりながら、春の中山グランドジャンプの勝利を評価されての最多得票。11歳の年齢、ケガとも戦いながら走り抜いたオジュウチョウサンがいかに偉大であったかを裏付ける、歴史的な受賞だった。(中央競馬担当・西山 智昭)

※馬齢はいずれも22年時点。

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