【宝塚記念】イクイノックス“普段着通り”の3頭併せ 海外帰りでも初栗東でも昨秋と同じ調整に好感

栗東での3頭併せで楽に最先着し、仕上がりのよさを感じさせたイクイノックス(左)
栗東での3頭併せで楽に最先着し、仕上がりのよさを感じさせたイクイノックス(左)

◆宝塚記念追い切り(6月21日、栗東トレセン)

 第64回宝塚記念・G1(25日、阪神)の追い切りが21日、東西トレセンで行われた。ドバイからの復帰戦となり、今回は栗東滞在からG1・4連勝を狙うイクイノックスの仕上がりを、美浦から駆けつけたイシゴー(石行佑介)記者が「見た」。出走馬と枠順はきょう22日に決定する。

 いつもと何も変わらないイクイノックスが栗東で弾んでいた。最終追い切りはCWコースで3頭併せの真ん中に入り、両サイドからプレッシャーを受ける形。昨秋に結果を出した天皇賞、有馬記念の当週のパターンと同じだ。動き自体も道中は集中力を切らさず、直線では迫力ある馬体から相変わらずの加速力。ラスト1ハロンは11秒3と1週前を0秒3も上回った。昨秋と比べても、反応は決して遜色ない。

 木村調教師は「先週の追い切り後から体調は一段上がった」と分析した。今回は海外初遠征だったドバイ帰りの一戦。現地では圧勝だったが、「疲れを取るのに時間がかかりました」とダメージがあったことを説明する。

 だからこそ、慎重に調整を進めてきた。関西圏への初の長距離輸送を考慮し、4日から栗東へ移動。美浦・坂路が改修工事で使えなかったが、栗東で普段通りに坂路を使った。当初は環境の変化に戸惑っていたものの、木村師が1週前追い切りの段階で「環境に慣れてきて今週はエネルギーが前に出ていました」と判断。昨秋の連勝時と同様に、ルメールの騎乗でハードワークが課された。

 当週は助手騎乗で仕上げるというのも昨秋と同じパターン。臨戦過程や取り巻く環境が変化しても、調整過程が変わらなかったのは、あとは本番当日まで徐々に状態が上がれば、問題なく力は出せると判断したからこそだろう。その点は非常に好感が持てる。

 ドバイ遠征後に春のグランプリを制したのは過去10年で21年のクロノジェネシス一頭のみ。ジェンティルドンナ(13年=3着、14年=9着)も、ドゥラメンテ(16年=2着)も結果を出せなかった。ただ、この日の“普段着通り”の最終追い切りを見る限り、仕上がりは十分に合格点。偉業達成の可能性は高いとみる。(石行 佑介)

最新記事

さらに表示
ニュース検索
馬トク SNSアカウント
  • X (旧Twitter)
  • facebookページ
  • Instagram
  • LINE公式アカウント
  • Youtubeチャンネル