◆第28回エルムS・G3(8月6日、札幌・ダート1700メートル)
今週は6日にダートの2重賞が行われ、芝の実績馬が挑む。第28回エルム・G3(札幌)は、21年ジャパンC2着で芝の重賞を4勝しているオーソリティが1年1か月ぶりの復帰を予定。初ダートとなる一戦に注目だ。
21年ジャパンCで2着したオーソリティが、エルムSに登場する。22年の宝塚記念で返し馬でつまずいた際に右前脚を痛め、競走除外。管骨を骨折していることが判明し、長期離脱を余儀なくされた。
今年のエプソムC(6月11日、東京)での復帰を視野に、5月12日に美浦トレセンに帰厩して調整を続けていたが、阿部助手は「バランスがひと息で回避しました」と万全を期したことを明かす。放牧を挟み、7月1日に美浦に再入厩。坂路が工事で使えない中、Wコースで4本速い追い切りを消化し、北上に向けてGOサインが出た。
初めてのダート挑戦に阿部助手は「脚元を考慮してですね。3回、骨折している馬ですから」と経緯を説明する。「ダートはやってみないと分かりませんが、パワーはあります。しっかり乗り込んで、体重もあまり変わらないぐらいで出せそうですから」。約1年1か月ぶりの実戦に向けて、胸を張った。6歳夏を迎えたがキャリア13戦と数を使っておらず、馬は元気いっぱいだ。
父オルフェーヴルのダート替わりと言えば、21年のブリーダーズCディスタフを勝ったマルシュロレーヌや、5連勝で23年ドバイ・ワールドCを制したウシュバテソーロ、昨秋の武蔵野S・G3で後のG1馬をやぶったギルデッドミラーなど活躍馬が続出中。東京で長距離重賞3勝と、芝で前述3頭以上の実績を誇るオーソリティが、ブランクを克服し続いてみせる。(玉木 宏征)