【小倉2歳S】アスクワンタイム、18年ファンタジストに続く兄弟制覇 急逝・兄の分もG1奪取狙う

岩田望の鼓舞に応えて最後のひと伸びを見せたアスクワンタイム(手前)
岩田望の鼓舞に応えて最後のひと伸びを見せたアスクワンタイム(手前)

◆第43回小倉2歳S・G3(9月3日、小倉・芝1200メートル、良)

 小倉競馬場で行われた第43回小倉2歳S・G3は、5番人気のアスクワンタイム(岩田望)が18年覇者ファンタジストとの兄弟Vを成し遂げた。

 絶好調男が、夏を最高の形で締めくくった。岩田望はアスクワンタイムを落ち着いてリード。直線半ばで内の馬と脚いろが同じになったが、懸命に鼓舞すると相棒も応え、残り100メートルで右手前に替えてもうひと伸びした。「直線で追い出すと、すごくいい反応をしてくれて『届くんじゃないかな』と。(前を)かわしてから若干、遊んだので、何とかしのいでくれと思っていました」。前週のワールドオールスタージョッキーズを初出場で制したばかりの23歳は、会心の表情で汗を拭った。

 今夏の小倉は4週間のみの開催だったとはいえ、やはり最終週。この日の芝1200メートル戦は、7R、9Rともに大外枠の馬が差し切る展開だった。鞍上は「きょうは差しが決まっていたので、ゆっくりリズムを大切に」と意識。大外の10番枠をしっかり生かしてみせた。

 18年王者ファンタジストに続く兄弟制覇。全姉のボンボヤージも昨夏、同舞台の北九州記念を制した。3頭すべてを管理してきた梅田調教師も「よっぽど小倉が好きなんだろうね。ファンタジストと比べるとまだ心身ともに幼く、きょうは見どころがあればと思っていたけど、すごいね」と笑いが止まらなかった。

 広崎利洋オーナーが海外滞在中でもあり、次走は未定。しかし鞍上は「すごく乗りやすい馬ですし、自在性もあります。距離が延びても大丈夫なんじゃないかな」と期待をかけた。馬名の意味は「もう一度、再び」。ファンタジストは19年京阪杯のレース中、志半ばにして急性心不全で天に召された。兄がつかめなかったG1奪取へ、弟が一歩を踏み出した。(玉木 宏征)

 ◆アスクワンタイム 父ロードカナロア、母ディープインアスク(父ディープインパクト)。栗東・梅田智之厩舎所属の牡2歳。北海道平取町・株式会社ASK STUDの生産。通算3戦2勝。総獲得賞金は3976万4000円。重賞初制覇。馬主は広崎利洋氏。

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