【エリザベス女王杯】ブレイディヴェーグ名牝の予感 宮田調教師からはアーモンドアイの名も飛び出した

 ルメールを背に鋭い伸び脚を見せたブレイディヴェーグ(左)
 ルメールを背に鋭い伸び脚を見せたブレイディヴェーグ(左)

◆エリザベス女王杯追い切り(11月8日、栗東トレセン)

 第48回エリザベス女王杯・G1(12日、京都)の追い切りが8日、東西トレセンで行われた。重賞未勝利ながら5戦目でのG1制覇に挑むブレイディヴェーグは、ルメールが「最後すごくいい脚を使ってくれた」と満足そうだった。

 底知れない能力を、鋭い末脚で証明した。ブレイディヴェーグは、滞在している栗東トレセンのCWコースで僚馬を2馬身追走。道中はやや力みながらだったが、直線に入るとなめらかにギアを上げた。強めに追われた相手に対し、楽な手応えのまま首差先着。時計も6ハロン80秒3―11秒3と申し分なく、騎乗したルメールは「直線までペースが遅かったけど、最後すごくいい脚を使ってくれた」と満足げだった。

 これまで2度骨折しているため、キャリアはメンバー最少の4戦。ただ、その全てで上がり3ハロン最速をマークし、光る素質を見せつけてきた。さらに1週前追い切りでは、CWコースで驚異のラスト1ハロン10秒7。昨年2月3日のソダシと同じラップをマークした。名馬の背中を多く知るルメールも「能力はあります」と断言。これまで騎乗した2戦と比較し、「体が大きくなってきた。またパワーアップしてくれた」と成長も認めている。

 3連勝が懸かっていた前走のローズSは2着。出遅れ、4角までほぼ最後方だったが、直線でスペースを確保した瞬間から猛然と追い上げた。ルメールは「最後ゴールまで伸びてくれた」と評価。JRAレコード決着だったうえ、勝ったマスクトディーヴァは秋華賞でも3冠女王リバティアイランドの2着。初の重賞がハイレベルな一戦だったが、“G1級”を予感させる内容だった。

 美浦から駆けつけ、追い切りを視察した宮田調教師からは、国枝厩舎での調教助手時代に関わった名牝の名前が飛び出した。「アーモンドアイまでいかないが、どんな環境でもどんと構えて、いつもいい競馬をしてくれる馬に育ってほしい」。国内外G1・9勝は心身ともに卓越していたからこその大偉業。愛馬はまだ重賞も勝っていないが、名牝の名を挙げるほど、大きな夢を託している。

 勝てば、世界ランク1位のイクイノックスと並ぶキャリア最少5戦目での古馬混合G1制覇。「しまいの脚はG1を取れるだけの可能性を感じさせるものがある」と宮田師。今回はライバル全頭と初対戦だが、抜群の切れ味を武器に、トップクラスに挑戦状を叩きつける。(水納 愛美)

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