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競馬関係者による持続化給付金の問題は、何が問われているのか。給付金は、コロナウイルス感染拡大に多大な影響を受ける事業者に対し、事業存続のために支給される。言わば「明日」をも知れない人を救うためだ。中央競馬は昨年、一度も止まることなく開催され、20年売得金は103・5%と、9年連続で前年比を上回った。明日に困ることはないはずだった。
競馬界は昨年、牡牝で無敗の3冠馬が誕生するなど多くの夢と勇気を与え、国庫納付金の他に、調教師会、騎手クラブが国や地域に多くの寄付をし、社会的にも貢献してきた。今回の件でそれさえも否定されかねないのが残念でならない。
返金した者は罪に問われることはないのかもしれない。ただ、法に触れなければいいのかという思いは消えない。今、問われているのは、人として最も忘れてはいけないヒューマンな部分なのではないか。もちろんマスコミとして人ごとでは片付けられない。JRAが認識したのが情報提供のあった昨年10月9日だが、調査開始は2月18日。あまりにも遅くはないか。最後までしっかりと見届ける責務がある。(中央競馬担当・松末 守司)