【NHKマイルC】右足甲骨折から復帰した武豊騎手、ホウオウアマゾンで1年半ぶりG1奪取だ

右足甲の骨折から復帰2週目でG1取りを狙う武豊
右足甲の骨折から復帰2週目でG1取りを狙う武豊

◆第26回NHKマイルC・G1(5月9日・芝1600メートル、東京競馬場)

 NHKマイルC(9日、東京)で、アーリントンCの覇者、ホウオウアマゾンと初コンビを組む武豊騎手(52)。自身4度目の3歳マイル王決定戦制覇を目指す今回は、矢作芳人調教師(60)とのタッグでのG1初勝利もかかる。右足甲骨折から復帰したばかりのレジェンドがG1で復活をアピールするか。

 右足甲骨折から先週復帰したばかりのレジェンドに1年半ぶりのG1奪取のチャンスが巡ってきた。武豊が初めてコンビを組むホウオウアマゾンはアーリントンCでは2番手から危なげなく押し切って重賞初V。「調教には乗っていないのですが、前走の勝ち方が良く、マイルは合ってそうな感じ。すごく素質がありそうで、いい馬が回ってきました」と、テン乗りで巡ってきた重賞ウィナーの手綱に大きな期待を寄せる。

 NHKマイルC過去3勝は横山典に並ぶトップ。「今年、4勝目ができたら。去年はG1を勝つことができなかったので、ここで勝ちたいですよね」と、19年菊花賞(ワールドプレミア)以来のビッグタイトル奪取をにらむ。また、ホウオウアマゾンの矢作調教師とのタッグでは重賞4勝もG1未勝利。武豊は「確かリスグラシューで2着が3回。あれだけの名トレーナーですし、たまには勝たないといけません」と闘志を燃やしている。

 3月20日の阪神10Rで騎乗馬がゲート内で暴れた際に負傷。その後の検査で右足の第2、第3、第4中足骨骨折が判明したが、「病院と自宅とジムでジャージー生活だった」というリハビリ期間を乗り越え、42日ぶりに復帰した1日には阪神でメイン(天王山S・スマートアルタイル)を含む2勝。復帰初戦の1R(3歳未勝利・ウラエウス)で勝利を飾り、「休み明けも動けるタイプやから」とユーモアあふれるコメントで周囲を笑わせた。復帰2週目で“上積み”を加え、さらに動けるコンディションとなった競馬界の至宝が日本に元気を届ける。(内尾 篤嗣)

 <5日に初コンタクト>

 ○…ホウオウアマゾンは、前走から12日後の先月29日に栗東・CWコースで7ハロン95秒2―12秒7の猛調教。2日も栗東・坂路で56秒2―13秒5と意欲的だ。池田厩務員は「元気いっぱいで予定より速くなったけど、順調にきているのが何より」と穏やかな表情。あす5日に初めて武豊がコンタクトを取る予定だ。

 矢作調教師「ユタカとG1を取りたい」

 強い思いがある。矢作調教師が1984年の7月、競馬学校の厩務員課程に入学。その3か月前、騎手課程に入学していたのが武豊だった。「もう38年の付き合い。ユタカが現役のうちに、いつかユタカとG1を取りたい」と力を込める。

 付き合いが長いからこそ分かるすごさがある。「オンとオフだよね。遊びもするし、飲みもするけど、普段のトレーニングや節制をしているからこそ。それを人に見せない陰の努力がね」と分析。そんな盟友との夢実現へ、手綱を託すのがホウオウアマゾンだ。「いいスタートから好位づけできる、非常に安定感のある優等生。そういうタイプの騎手に乗ってほしかった」と説明する。中間はフラットワークを取り入れるなど調整に抜かりはない。

 今回はバスラットレオンとの2頭出し。こちらは開業当初の厩舎を支え、「忘れてはいけない馬」と常に語るスーパーホーネットの主戦だった藤岡佑が騎乗する。「今年(の3歳世代)は厳しいかなと思っていたところで、2頭が急上昇してくれた。上昇した状態で使えるというのがうれしい」。ゆかりの深い騎手と臨むG1。レース後は最高の笑顔で人馬を出迎えたい。(山本 武志)

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