◆東京スポーツ杯2歳S・G2(11月19日、東京競馬場・芝1800メートル、良)
東京スポーツ杯2歳S・G2が19日、東京競馬場で行われ、5番人気のガストリックが新馬戦からの連勝で重賞初タイトルを獲得した。過去26度の開催で勝ち馬15頭がのちのG1ホース(うち平地は14頭)となった登竜門。来年のクラシック候補に堂々と名乗りを挙げた。
鞍上の合図とともにギアが一段上がる。ガストリックはトップスピードに乗ると、体をぐぐっと沈ませ、推進力を増した。「スピードに乗った時の沈み方は、なかなかこういう馬はいない」と三浦。6番手で迎えた直線で馬群を割って先頭に立つと、持ち前の勝負根性で前を譲らず、上位人気2頭を振り切った。
とりわけ近年は20年の3冠馬コントレイルから天皇賞・秋を勝ったばかりのイクイノックスまで3年連続でG1馬を輩出している出世レース。3日のJBCスプリントで8年ぶりに交流G1を制した三浦も、先週の武蔵野Sに続く勝利で11年ぶり2度目のJRA重賞年間3勝目となり、「大きな舞台につながるいいレースだった」と会心の表情だ。
初戦は最後方から大外を回して一気の末脚でV。この日は馬込みで運び、馬群を割っての勝利と全く違う内容で連勝した。上原博調教師は「初めてづくしで心配したけど、うまく克服できた」と能力を再認識し、「王道を行ってほしい」とホープフルS・G1(12月28日、中山)への参戦を明言。この日の1勝は、名馬伝説の幕開けの1ページになるかもしれない。(恩田 諭)
◆ガストリック 父ジャスタウェイ、母エーシンエポナ(父カーリン)。美浦・上原博之厩舎所属の牡2歳。北海道浦河町・栄進牧場の生産。通算2戦2勝。総獲得賞金は4538万5000円。重賞初勝利。馬主は前田幸治氏。