13年に福永と結婚した松尾翠フリーアナはこの日、競走馬の刺しゅうが入った着物姿で最後の雄姿を見守った。「今朝はお互い『ここまでありがとう』と言葉をかけ合う感じでした。10年でいろんなことがありましたけど(引退が)決まってからはあっと言う間でした」と振り返った。
大事なレースが近い時などは夫が背負う重圧も感じた。「寝ている時に歯を食いしばっているようで、歯がぼろぼろ抜ける夢を何度も見ていたようです」。レース後は涙を浮かべて出迎え「私だけでは見られない夢を見せてくれますよね、競馬って。馬柱から福永の名前が消えるのもさみしいですけど、私もジョッキーの妻は引退です」と切り替えた。これからも一番近くから支えていく。