【ドバイゴールデンシャヒーン】海外競馬通・成田幸穂が前哨戦G3リヤドダートスプリントを分析

 ドバイワールドCデーが3月25日にUAE・ドバイのメイダン競馬場で開催される。小欄ではG1ドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200メートル)に向けたステップレースとして、2月25日にサウジアラビアで行われたG3リヤドダートスプリント(キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1200メートル=9頭立て)を取り上げたい。今年は強力なアメリカ調教馬の参戦もあって、レースレベルが高かった。

 勝ったのはアメリカのエリートパワー(牡5歳)。脚部不安の影響で初勝利は昨年6月と遅かったが、その後5連勝で米G1ブリーダーズCスプリントを制して頂点に立ち、2022年の米牡馬チャンピオンスプリンターに輝いた大器だ。今年初戦となったここも6番手から楽々と差し切り、最後は後続に3馬身1/4差をつける楽勝だった。勝ち時計は1分11秒01(良)。

 2着もアメリカのガナイト(牡4歳、米・アスムッセン厩舎)。先団4番手からしぶとく粘った。日本のリメイク(牡4歳、栗東・新谷功一厩舎)は後方2番手に構えて鋭い末脚を使ったが、ガナイトから2馬身差の3着。4着ジャスティン(牡7歳、栗東・矢作芳人厩舎)は2番手を追走し、最後の直線で一旦先頭に立つ場面をつくった。以下も日本勢が続き、ダンシングプリンスが5着、リュウノユキナが6着となった。

 G1ドバイゴールデンシャヒーンへ向けた展望としては、ガナイトは首位候補だろう。2歳時にダート7ハロンの米G1ホープフルSを5馬身3/4差で快勝し、昨年8月の米G1HアレンジャーケンスメモリアルS(ダート7ハロン)も2着と好走。昨シーズンから時計を要するタフな状態となっているメイダンのダートにあっては、米G1ブリーダーズCダートマイル4着の実績が示すように、高い持続力も好材料となる。

 リメイクとジャスティンは結果的にアメリカ勢のスピードに屈したが、前哨戦として悲観する内容ではない。本番はガナイトのほかにもアメリカの快足馬が加わり、ペースがさらに上がりそう。速い流れと前記の通りメイダンの馬場傾向を加味すれば、日本勢の持ち味であるスタミナが逆転の切り札になるはずだ。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。3月25日(土)23時00分から、ラジオNIKKEI第1「ドバイワールドカップデー実況中継」に出演予定。

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