◆第83回皐月賞・G1(4月16日、中山競馬場・芝2000メートル)
騎手時代に果たせなかったクラシック制覇へ。上村調教師がスプリングSを制したベラジオオペラを3冠初戦に送り込む。騎手時代、クラシックには15度騎乗し、1993年菊花賞のキングファラオ4着が最高成績。今回は調教師として初めて牡馬クラシックに挑む。
「ジョッキーの時もクラシックは特別でしたが、無敗の3連勝で皐月賞に向かえる。今回は調教師として、トライアルを勝った馬で胸を張って出せます」
5日の1週前追い切りは、新コンビを組む田辺が騎乗し栗東・CWコースでモズリッキー(4歳3勝クラス)と併せ馬。6ハロン82秒8―11秒6だった。「落ち着いていますし走っていても冷静」と好感触をつかんでいた。
「ジョッキーは『緩いと聞いていたが、思っていたほどではなかった』と。素直で乗り替わっても難しい馬ではない」
「操作性」「ポテンシャルが高い」「レースセンスが抜群」の3つがトレーナーの考える強みだ。
「馬体がしっかりしてくれば、もっと良くなる。本当に楽しみ」
デビュー戦は若葉Sを制したショウナンバシット(3着)など好メンバー相手に快勝。前走のスプリングSは前2走とは違い、中団に控える形になったが、メンバー最速タイの上がり3ハロン35秒7の末脚で差し切った。
「前走は一頭だけ本番を見据えたようなレースで勝てた。重馬場をこなせたのも大きい。前走みたいな競馬ができれば、2000メートルも問題ない。いい状態ならチャンスはあると思っています」
4連勝でのクラシック1冠目制覇を、上村調教師は視界に捉えている。(戸田 和彦)