◆第58回札幌2歳S・G3(9月2日・札幌競馬場・芝1800メートル、稍重)
第58回札幌2歳S・G3は2日、札幌競馬場で行われ、単勝3番人気のセットアップが後続に4馬身差をつける逃げ切りで初タイトルを手にした。鞍上の横山武は2着のパワーホールに騎乗した父の横山典と重賞で初の父子ワンツーとなった。1番人気のガイアメンテ(武豊)は6着だった。
ファンに向けて真っすぐ掲げた左手が輝ける未来への道しるべだ。横山武とセットアップが影をも踏ませぬ逃走劇で出世レースを制した。2着には父の横山典が騎乗するパワーホールが入り、重賞で初となる親子ワンツーも決めた。鞍上は「想像以上に強かった。こんなに離せるとは思わなかった」と目を丸くした。
スタートがすべてだった。最終週に加え、直前に降った雨で稍重の発表以上に重い馬場だったが、ポンと発馬を決めるとハナへ。スローに落としてから、3角では早め、早めに動き、後続に脚を使わせた。手応えよく迎えた直線で突き放し、後続に4馬身差。「外か内か迷ったが、ダートもこなせそうな走りをしているので、馬を信じて内に行った」と冷静に振り返る好判断が勝利へと導いた。
横山武&鹿戸厩舎での重賞勝利はエフフォーリアで制した21年の有馬記念以来。横山武は「鹿戸厩舎とのコンビでエフフォーリア以外でも重賞を勝てたことは、僕的にも厩舎的にも士気が上がる」と力を込めた。今後はいったん放牧に出され、朝日杯FS(12月17日、阪神)かホープフルS(12月28日、中山)が大目標になる予定。北都で得た自信を胸に、大舞台へと飛躍する。(松末 守司)
◆セットアップ 父デクラレーションオブウォー、母スリーアロー(父アルデバラン2)。美浦・鹿戸雄一厩舎所属の牡2歳。北海道新ひだか町・フジワラファームの生産。通算成績は3戦2勝。総獲得賞金は3976万4000円。重賞初勝利。馬主は嶋田賢氏。