【セントウルS】スピード感満点の3歳馬ビッグシーザーに西園正都調教師「若き力を示したい」

力強い伸び脚で仕上がりのよさをアピールしたビッグシーザー
力強い伸び脚で仕上がりのよさをアピールしたビッグシーザー

◆セントウルS追い切り(6日・栗東トレセン)

 第37回セントウルS・G2(10日、阪神=1着馬にスプリンターズSの優先出走権)の追い切りが6日、東西トレセンで行われた。3歳馬のビッグシーザーは栗東・坂路で51秒4―12秒1をマーク。デビューから一貫して6ハロン戦を使われてきた個性派スプリンターは中間の攻め馬も強化し、古馬の壁に立ち向かう。

 スピード感満点だった。ビッグシーザーが栗東・坂路を豪快なフットワークで駆け上がった。馬なり単走で、全く無理をせずに51秒4―12秒1。「時計も速いし鞍上(幸)の感触もすごく良かった。能力、エンジンが違うんだろうね」と西園正調教師は満足げにうなずいた。

 飛躍の秋へ、策を練ってきた。「緩さを取り除く」ため、中間は体質強化に着手。これまでは坂路が主体だったが、長めからしっかりと負荷をかけられるコース調教を取り入れた。8月にはCWコースで3週続けて追い切り。24日には一番時計となる、6ハロン77秒1の猛時計もマークした。「しっかり負荷をかけられた」と手応えをつかんでいる。

 “異色”の存在だ。1200メートルのスペシャリストに育て上げるため、昨年8月のデビューから使われてきたのはスプリント戦だけ。同9月の未勝利勝ちからオープン3勝を含む4連勝を挙げた。重賞初挑戦だった前走の葵Sで3着と連勝こそ止まったが、1分7秒2の好タイムを計時。「3歳の春に1分7秒台で走れるのは優秀」。トレーナーは祖父サクラバクシンオー、父ビッグアーサーの名スプリンターから受け継ぐ速力が初の古馬相手でも通用すると信じている。

 先週の新潟記念を制したノッキングポイントを始め、クイーンSを勝ったドゥーラなど古馬を相手に世代レベルの高さを示している現3歳世代。西園正師も「斤量差もあるし、若き力を示したい」と力を込めた。先週、全弟のビッグドリームが小倉2歳Sで4着。「雪辱を果たしてほしいね」。兄の威厳で古馬の壁を乗り越え、スプリント王への第一歩を刻む。(戸田 和彦)

 ◆3歳馬のセントウルS 過去5年で勝利こそないが、【0・3・1・4】で複勝率50%の好成績。それ以前には15年に10番人気のアクティブミノルが勝ち波乱に。12年にはエピセアロームが本格化手前とはいえ、ロードカナロアに先着しての勝利を挙げたこともある。

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