【スプリンターズS】復活星を狙うピクシーナイトに2週連続で騎乗した福永祐一技術調教師「馬自身は枯れていない」良化感じた

福永調教師が2週連続で手綱を執ったピクシーナイト(手前)
福永調教師が2週連続で手綱を執ったピクシーナイト(手前)

◆スプリンターズS追い切り(27日、栗東トレセン)

 第57回スプリンターズS・G1(10月1日、中山)の出走馬が27日、東西トレセンで追い切られた。2年ぶりの復活星を狙うピクシーナイトはG1勝利時の鞍上・福永祐一技術調教師が2週連続で騎乗。その狙いはヤマタケ(山本武志)デスクが伝える。

 勝負手がはまりつつある。ピクシーナイトは2週連続で3歳時の全盛期を知る福永調教師が追い切りに騎乗。今週は栗東・坂路で54秒2と全体時計は地味だが、加速ラップでラスト1ハロンを12秒1にまとめ、僚馬を突き放した。

 「先週は正直、踏み込みに物足りなさがありました。今週は随分と良くなった。最後の体の使いは良化の兆しを感じました」

 変化を説明する福永師の姿を見ながら、3年前を思い出した。3歳初めにマイルのシンザン記念を勝ちながら、2歳時から何度も「1200メートルなら大きなところを取れる」と訴えていた。その結果、陣営もNHKマイルCでの12着完敗後に早々とスプリント路線に変更。一昨年のこのレースでの完勝へつながった。「厩舎サイドが早く決断してくれたのがよかった」と振り返っていたのが懐かしい。

 今回も迅速な判断が吉と出ている。物足りなさを感じた1週前追い切り後。福永師とも相談のうえ、翌朝には左後肢にショックウェーブ(超音波)での治療が施された。「前走のゲートでつまずいた時に痛めたのかな。福永君が乗って気づいてくれた。治療の後、すごく動きが良くなった」と音無調教師は効果を実感する。

 一昨年暮れの香港スプリントでの落馬事故で1年3か月にも及ぶ休養。福永師は「今週の時点で完璧に出来上がっているという感じではない」と説明する一方、「この追い切りでグッと上がってくれば。馬自身は枯れていない。1週間でこれだけ変われたのはポテンシャルがあるから」とも言った。冷静なジャッジも、かつての輝きを知っているからこそだろう。復活への期待を胸に、レースを見守りたい。(山本 武志)

最新記事

さらに表示
ニュース検索
馬トク SNSアカウント
  • X (旧Twitter)
  • facebookページ
  • Instagram
  • LINE公式アカウント
  • Youtubeチャンネル