【天皇賞・秋】ムキムキのドウデュースに武豊「かっこいいよね」打倒イクイノックスへ手応え 

坂路で追い切るドウデュース
坂路で追い切るドウデュース

◆天皇賞・秋追い切り(25日、栗東トレセン)

 第168回天皇賞・秋・G1(29日、東京)の追い切りが25日、行われ、栗東ではドウデュースがいつもと異なる坂路で追い切られた。3月のドバイでの出走取消を挟み、今年2月の京都記念(1着)以来となる実戦へ向けた調整の意図を、水納愛美記者が「見た」ほか、馬トク取材班が各馬の状態を「考察」した。26日に枠順が発表される。

 追い切り前日。ドウデュースの調教メニューを確認して、頭に疑問符が浮かんだ。当週に坂路で追い切ったことはないのでは? 調べてみると、やはり初めて。これまで国内戦では、最終追い切りはDP(ポリトラック)コースで実施するのがルーチンだった。

 意図が気になりながら見届けた最終追い切り。動きはさすが、の一言だった。定規で引いた線をなぞったかのように、全く軸がぶれない。前肢の回転速度が驚異的で、こちらに迫ってくるかと錯覚した。猛時計では!? と思ったが、52秒8―12秒0で“ちょうどいい”。時計以上の動きとはこのことか、と納得した。

 友道調教師を直撃すると、坂路追いの意図は明確だった。「先週の動きを見て、スピード調教はいらないと思った。しっかり負荷をかけようと」。確かに、武豊が騎乗した1週前追い切りは絶品。直線で僚馬2頭を瞬時に置き去り、加速ぶりは十分に証明できていた。型にとらわれず、今のドウデュースに合わせた最善の選択がこの追い切りだ。

 帰厩後、ドウデュースの姿を見るたびさらに筋肉が増えたと感じていた。指揮官も「また一段とパワーがついた。集団でいても一頭だけムキムキ感がある」と同様のジャッジだ。武豊は引き揚げてきた相棒の姿を見るなり「かっこいいよね」と一言。2歳から完成度は高かったがまだ成長を続けていると確信した。

 最も注目されるのが、イクイノックスとの再戦。友道師が「強いダービー馬の走りをもう一度見せることができると思う」と力を込めれば、武豊も「イクイノックスとレースをするたびに、ドウデュースでいつかもう一度、という気持ちはあった。ようやくそのときが来たかな」と高揚感を隠せない様子だった。相手は名実ともに世界一。ただ、この仕上がりと陣営の気合に触れれば、復権への期待は自然と高まる。(水納 愛美)

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