【エリザベス女王杯】ディヴィーナが母ヴィルシーナに代わって雪辱Vを 母のライバル・ジェンティルドンナの娘ジェラルディーナと初対決

本格化してきたディヴィーナ
本格化してきたディヴィーナ
12年秋華賞で牝馬3冠を達成したジェンティルドンナ(右)と、鼻差の2着惜敗だったヴィルシーナ(手前)
12年秋華賞で牝馬3冠を達成したジェンティルドンナ(右)と、鼻差の2着惜敗だったヴィルシーナ(手前)

◆第48回エリザベス女王杯・G1(11月12日、京都競馬場・芝2200メートル)

 第48回エリザベス女王杯・G1(12日、京都)は、現役時代に幾度も対戦した名牝2頭の娘が初対決する。12年の牝馬3冠馬でG1・7勝のジェンティルドンナを母にもつ昨年の覇者ジェラルディーナは、「考察・血統編」で最高のG評価。一方、同年の牝馬3冠すべて2着に甘んじたG1・2勝のヴィルシーナの娘ディヴィーナは、府中牝馬Sで重賞初制覇を果たし勇躍、駒を進めてきた。連覇か、母の雪辱か、それとも…。

 母に代わり、リベンジを果たす。ディヴィーナの母ヴィルシーナは、12年の桜花賞、オークス、秋華賞で全て2着。同年の3冠牝馬がジェンティルドンナだ。今回、その娘ジェラルディーナと初対戦。友道調教師は「ずっと母からのライバルなんだよね。それも何かの縁」と感慨に浸る。

 ジェラルディーナは昨年のオールカマーで重賞を初勝利し、続くエリザベス女王杯も制した。一方自身は、前走の府中牝馬Sが初タイトル。ともにモーリス産駒で同世代だが、出世は相手の方が早かった。やっと激突するのが、G1の大舞台。友道師は「すごいよね。(母が)2頭とも競走能力もあったし、繁殖能力もあった」と感心する。

 ヴィクトリアマイルからコンビを組んだMデムーロとは、まさに“運命の出会い”。これまで返し馬から前進気勢が強すぎたため、指揮官は鞍上に「競馬はいいから、返し馬だけはゆっくり行って」と頼んだ。結果は15番人気4着と大健闘。「返し馬で折り合いがつくようになり、それが競馬に生きている」。以降も〈2〉〈2〉〈1〉着と抜群の相性を誇る。

 2200メートル戦は3歳9月の1勝クラス(2着)以来。マイル戦線で結果を残してきただけに、距離への対応が求められる。しかしトレーナーは「ミルコが1600メートルから1800メートルにするのも大丈夫と言っていた。今回も大丈夫って」と、鞍上に大きな信頼を寄せる。

 もちろん、自身も成長。今年はすでに7走しているが、レース後に体重が減らなくなり、好調を維持できている。「ここ1、2年充実している。リズム良く行ってくれれば」。頼れるパートナーとともに、宿敵に立ち向かう。(水納 愛美)

 ◆母の対戦成績 2頭の母は09年生まれで、現役時代に7度対戦し、対戦成績はジェンティルドンナの6勝1敗。12年は牝馬3冠にローズSを含めた4戦で、ヴィルシーナはすべて2着と後じんを拝した。13年はジャパンCでジェンティルドンナが勝ち、ヴィルシーナは7着。ジェンティルドンナが9着に敗れた14年の宝塚記念でヴィルシーナが3着と先着した。最後の対戦だった同年有馬記念を制したジェンティルドンナに対し、ヴィルシーナは14着に敗れている。

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