【東京新聞杯】秋華賞2着馬が重賞初勝利へ坂路で軽快な動き 手塚久調教師「1600メートルがいい」

スムーズな伸び脚のボンドガール(カメラ・荒牧 徹)
スムーズな伸び脚のボンドガール(カメラ・荒牧 徹)

◆東京新聞杯追い切り(5日・美浦トレセン)

 第75回東京新聞杯・G3(9日、東京)の追い切りが5日、東西トレセンで行われた。昨年の秋華賞で2着のボンドガールは4歳初戦での重賞初勝利に向け、美浦・坂路をスムーズな走りで終えた。坂本達洋記者が昨年からの進化を「見た」。

 先入観を持ちすぎていたせいか、いい意味で予想を裏切られた印象だ。いつも頭の高いフォームで折り合いが難しそうなイメージのボンドガールの最終追い切りは、美浦・坂路を単走でスムーズなラストの伸び脚が目を引いた。55秒3―12秒6の馬なりで、1ハロン目から14秒9―14秒1―13秒7―12秒6と着実に加速ラップを刻めていた。この日もテンこそ行きたがるそぶりを見せたが、徐々にリズムをつかんで駆け抜けたのは収穫だろう。

 3週連続で手綱を執った嶋田(レースは武豊)を直撃すると、「最初はハミを取るけど、しまいまでしっかりと動けていて調教の感じはいいです。楽に動けていました」と明るい口ぶりだった。Wコースでの1週前追い切りも、前半は前向きさが目立ったが、直線は強めに追ってラスト1ハロン11秒7で“グッドフィニッシュ”。好走した前走の秋華賞(2着)当時と比べても、調教過程の良さから一段上のパフォーマンスを発揮できそうな気がする。

 前走の最終追い切りは、美浦・坂路を単走で走りにくい不良馬場のなか、54秒0―13秒9。2ハロン目に最も速い12秒9を刻むなど、ちぐはぐな印象はぬぐえなかった。それでも連対確保は能力の高い証拠。手塚久調教師は「調教ではそういうところがあるけど、競馬では大丈夫。武(豊)君がうまく乗ってくれた。見た目以上に引っかかっていない。1600メートルのペースだったら大丈夫でしょう」と距離短縮でより不安は打ち消せるとみている。

 23年6月の新馬勝ちから2勝目が遠いが、勝てば藤田晋オーナーにとって初の牝馬での重賞Vとなる。春の目標はヴィクトリアマイル・G1(5月18日、東京)で「1600メートルがいいと思っていて、こちらの見立て通りに走ってくれればチャンスはある」と指揮官。スムーズに運べば勝機は十分だ。(坂本 達洋)

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