
◆第73回阪神大賞典・G2(3月23日、阪神・芝3000メートル)
第73回阪神大賞典・G2(23日、阪神=1着馬に天皇賞・春の優先出走権)に出走を予定するゴールデンスナップは、芝3000メートルの前走、万葉S・オープンを勝っての参戦。陣営が「5000メートルになったら楽勝する」というほどのスタミナが武器で、5歳を迎えて馬体も進化。史上初の同レース牝馬Vを狙う。
どこまでも、いつまでも走り続けられる。ゴールデンスナップが、無尽蔵のスタミナを武器に阪神大賞典の牝馬初勝利を狙う。田中克調教師は「阪神大賞典が5000メートルになったら楽勝すると思いますよ」と自信満々。3000メートル未経験の馬もいるなか、距離に不安がないのはれっきとした強みだ。
昨年のこのレースでは、3勝クラスの身で5着と好走した。その後は長距離のオープン、3勝クラス、G2で〈2〉〈2〉〈4〉着。前走の万葉Sで、待望のオープン初勝利を挙げた。田中克師は「今までで一番内容が良かったと思います。うまくスタートを切って、いいポジションで運べたし、直線で抜けてからもしっかり走ってくれました」と絶賛。「格上挑戦しないと、レースがない。偉いですよ、この馬は」と番組選びの苦労を明かしつつ、愛馬をねぎらう。
14戦中12戦で手綱を執ってきた浜中も「最初から楽しみだなと思っていたし、個人的に好きなタイプでした」と高く評価する。以前は馬体が貧弱で、スタミナを生かしきれなかった。しかし、年を重ねてボリュームアップ。「完成に近づいてきているなという感じ」と進化を実感している。指揮官も「手がかかったけど、いい成長をしてくれています」と頬を緩める。
その浜中が騎乗した1週前追い切りは、栗東・CWコースで7ハロン98秒6―11秒7。トレーナーは「いつも通りいい動きでした」と不安のない様子だ。過去72回の歴史で、牝馬では93年タケノベルベット、15年デニムアンドルビーの2着が最高。くしくも、先週の金鯱賞でクイーンズウォークが30年ぶりの牝馬Vを決めた流れがある。「今年は勝ちを狙っていけるだけの馬になっています。G1にも出していきたい」と浜中。根性娘が歴史を変える。(水納 愛美)
◆平地芝3000メートル以上の古馬レース JRAでは中山の3600メートルで行われるステイヤーズS・G2が最長。重賞は他に阪神大賞典、天皇賞・春・G1(3200メートル)、ダイヤモンドS・G3(3400メートル)。オープンは万葉S(3000メートル)。条件クラスでは昨年は古都S、松籟S(いずれも3000メートル、3勝クラス)の2レースのみだった。