【ペガサスWCターフ】アエロリット、史上2頭目の米国G1制覇へ勝算大!

アエロリットが有利な斤量を味方に日本調教馬2頭目の米国G1制覇なるか
アエロリットが有利な斤量を味方に日本調教馬2頭目の米国G1制覇なるか

◆ペガサスWCターフ・米G1(1月26日・芝1900メートル、ガルフストリームパーク競馬場)

 今年から米国で新設されたペガサスワールドカップターフ・G1(26日、ガルフストリームパーク競馬場・芝1900メートル)に日本馬のアエロリット(牝5歳、美浦・菊沢厩舎)が登場する。鼻出血予防薬のラシックス不使用による減量特典で臨める斤量50・5キロと、得意の左回りが参戦を決めた大きな理由。日本調教馬にとっては05年のアメリカンオークスを制したシーザリオ以来、2頭目の米国G1制覇も夢ではない。

 日本馬が米国のフロリダに遠征するのは初めて。アエロリットと未知なる戦いに挑む菊沢調教師は、米G1・ペガサスWCターフに向けて「長距離輸送があって、環境も変わる。どれだけ日本にいた時の状態で出走させられるか」と気を引き締めた。

 ただ、リスクを背負って海を渡るのだから当然、勝利を狙っていく。師が魅力を感じているのは斤量面にある。アエロリットは鼻出血を防止する効果があるラシックスという利尿薬を使用しないため、減量特典により約3キロ軽い斤量で出走できる。

 「他の馬との斤量差がどうなるかだけど、背負わされるよりはね。日本ではその斤量では走ったことがないし、50・5キロはいいと思う」

 日本で最も軽かったのは17年のクイーンSを勝った時の52キロ。一昨年のNHKマイルCと、昨年の毎日王冠制覇は55キロ。恩恵は計り知れない。

 米国の競馬はダートが主流で、序盤からよどみないラップが刻まれるレースが多い。芝のレースでも菊沢師は同様のイメージを抱いていたが、自ら分析して考えが変わった。

 「向こうのレースを見てラップなどを調べた。マイル戦は流れが速くて差しが決まっていたけど、1900メートルなので落ち着いた流れになるかもしれない」

 今回は芝の中距離戦で、ペースが落ち着く可能性は十分にあると分析。そうなれば、徹底先行タイプのアエロリットには絶好の展開となる。

 他にも、日本では【3201】と、6戦して一度も崩れたことがない左回りの競馬場。加えて、鞍上には17年の年度代表馬ガンランナーの主戦を務めた名手フローレン・ジェルー騎手(32)=フランス=を確保した。「芝やコーナーが合うかは、実際に走らせてみないと分からない」とトレーナーに油断はないが、好走への条件が多いのは間違いない。

 16日に無事到着した愛馬を追いかけて、菊沢師は19日に米国へ向けて出発した。「厩務員から連絡が来た時は落ち着いているようだし、カイバもモリモリと食べているみたい。向こうでは自分で乗って速いところのキャンターもやろうと思っている」。デビュー前から高い素質を感じ、二人三脚で歩んできた。「ここまでの馬になったんだな」と感慨深い愛馬とともに、日本調教馬では05年のアメリカンオークスを制したシーザリオ以来2頭目となる米国のG1制覇達成を目指す。(西山 智昭)

 ◆ペガサスWCターフ 17年に創設されたペガサスワールドカップ(ダート2000メートル)のターフ部門(芝1900メートル)が今年から追加。総賞金は700万ドル(約7億7000万円)で、1着賞金は300万ドル(約3億3000万円)。出走枠は12頭で、馬主が出走枠購入のために支払う出走登録料は50万ドル(約5500万円)に設定される。また、芝、ダートの両方を優勝した馬主には特別ボーナスが付与される。斤量はラシックスを使わない馬には減量措置があるため、アエロリットは使用すれば119ポンド(約54キロ)、不使用なら112ポンド(約50・5キロ)で出走できる。

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