【必勝 無病息災 西宮神社】戦前まで神馬飼われ今でも参道に馬屋

西宮神社に残る神馬の馬屋
西宮神社に残る神馬の馬屋

 今週から新潟競馬が開幕し、夏名物の直線1000メートル重賞アイビスSDが行われる。全力ダッシュと言えば、参拝客が境内を全力で駆け抜ける「福男選び」で知られる西宮神社だ。商売繁盛の祭礼「十日えびす」が開かれる毎年1月10日、午前6時の開門と同時に本殿までの約230メートルを参拝者が疾走。先着3人が「福男」に認定される。正月の風物詩として名高い神社だが、馬とのゆかりも深い。

 権禰宜(ごんねぎ)の松井秀興(ひでおき)さんは「えびす様は元来、十日えびすの前夜(9日)に神馬に乗って町中を回りました。そこで町の人は(神馬や、えびす様がけがをしないように)門松を逆さにし、家にこもって通られるの待っていました」と説明する。今でこそいない神馬も戦前は飼われており、その名残で、今も本殿までの参道に馬屋がある。

 松井さんによると西宮市内には「馬」がつく名字が20以上存在。かつて神馬を奉納したり、管理したことがきっかけでつけられたものだという。西宮神社の本殿両側に勇ましい格好でそびえる青銅神馬像は、その一つの名字を持つ辰馬一族の酒造会社「白鷹」が1899年に奉納したものだ。

 同市内には戦中まで鳴尾競馬場(1907~43年)も存在した。権宮司の吉井良英さんは「ギャンブルこそ自分では何とかできないので、神頼みなところはありますからね」と笑う。笑う門には福来たる―。一度参拝し、的中の福にあやかってはどうだろうか。(松浦 拓馬)

 ◆西宮神社 正確な記録がなく、現在確認できる最古の資料で、平安時代に建立されたとされる。日本全国に約3500あるえびす神社の総本社。兵庫県西宮市社家町1の17。

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