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カラマティアノス
カラマティアノス

 こんばんは、坂本です。少しご無沙汰してしまいましたが、今日は美浦トレセンから帰って自宅からお届けしております。

 さて、先週は休みをもらって千葉県の養老渓谷の方に出かけてきました。草津や那須のような白い濁り湯ではありませんが、真っ黒な温泉が楽しめて、腰痛の治療も兼ねて湯治といったところでした。鉄道好きな方なら五井駅から小湊鉄道に乗って、のんびりとローカル線の旅も楽しめてお薦めです。

 私は車で出かけまして、高速道路を下りてからは寄り道しながらのドライブでした。魚釣りが楽しめる亀山湖あたりでは、野生の猿の群れと遭遇して「自然が多いなあ」と妙に感心しました。養老渓谷の温泉街にある出世観音をお参りした時には、山道のような参道を歩いているとガサゴソという音。どうやら動物のようで草むらに目を凝らしてみると、猫にしては小さいし、犬でも猿でもなさそう。リスでもないかなぁ…と思って、それを横目に歩いていると、バッと鮮やかなジャンプ。正解はムササビだったようで、あんなに鮮やかに飛ぶ姿を見たのは初めてだったので、これまたちょっとした感動でした。これから暖かくなりますし、ちょっと足を伸ばしてみるのにいいところですよ。

 そんなところでそろそろ本題へいきましょう。まずは奥村武厩舎からです。来週の共同通信杯(2月16日、東京)に戸崎騎手で予定しているカラマティアノス(牡、父レイデオロ、母ダンサール)は、2月5日に1週前追い切りを美浦・Wコースで行いました。単走で6ハロン84秒9―11秒2でびっしりと追って、しまいの伸び脚が光りました。奥村武調教師は「(1週前は)伴君に乗ってもらって、しっかりやりました。メリハリがついて、操縦もうまくいっている。ギアの変え方もスムーズで、この状態でいければ。あとは当日のテンションですね」と好感触を口にしていました。2連勝でこうやまき賞を制して、長く脚を使えるタイプです。祖母バラダセールという個人的に好きな一族なので、初めての重賞挑戦、試金石の一戦に注目ですね。

 年末にデビューして9着だったキャルミナス(牡、父サトノダイヤモンド、母プレシャスライフ)は、2月22日の東京・未勝利戦(芝2400M)に向かいます。指揮官は「長いところの馬だと思いますので。本当に跳びの大きい馬で、能力を感じます」と、改めて期待を口にしていました。

 葉牡丹賞で6着だったショウナンサムデイ(牝、父サートゥルナーリア、母ショウナンパンドラ)は、フラワーC(3月22日、中山)へ引き続き池添騎手で目指していきます。まだまだ体力強化が必要な印象ということですが、奥村武師は「かなり素質は高いので、大事にやっていきたい」ときっぱり。母がG1馬という血統馬で、夏の札幌で初勝利を挙げた際にも期待の言葉を聞いていましたから、成長に期待したいところです。

 次は林厩舎へいきましょう。今週の土曜日の東京5R・新馬戦(芝1800M)でアローグレイシャー(牡、父キズナ、母ザズー)が初陣を迎えます。母は米G1馬という良血馬で、半姉アルーシャは芝のマイル以下で6勝を挙げてオープンまで出世しています。540キロ台という大型馬で、林調教師にうかがうと、「動きはだいぶ良くなってきました。中身はできています。初戦からというタイプではないかもしれませんが、先々が楽しみです」と評価していました。まだ後肢が緩いぶん、スタートは速くなさそうな感じですが、どんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみです。

 また日曜の東京6R・3歳未勝利戦(芝1600M)にはスターエンブレム(牡、父ロードカナロア、母リッスン)がスタンバイしています。こちらも母の名前を見れば、POGファンにはおなじみ良血ですね。昨年11月の東京での新馬戦は、逃げて2着でしたが、勝った牧厩舎のティラトーレ(牝、父リアルスティール、母エアシンフォニー)は、その後にフェアリーSやクロッカスSで2着に好走していることを考えたら、相手が強かったと言えます。林師は「牧場さんからいい状態で戻していただいて、中間は順調です。1回使って気がよくなっているのと、バランス的に前が勝っていますので、実戦にいってタメが利けばと思います。課題をクリアして一本調子じゃないレースができれば、チャンスはあります」と語っていました。骨っぽい相手は数頭くらいですので、上位争いを期待したいですね。

 先週のセントポーリア賞で11着だったイブニングタイド(牝、父ドゥラメンテ、母イブニングジュエル)は、放牧でひと息入れるそうです。直線では挟まれる場面もありましたが、指揮官は「2戦目で気のいいところもありまして、道中は前がかりになってしまい、伸びきれませんでした。能力はあると思いますし、精神的にしっかりしてきて追い切りで求めていっても大丈夫だと思います」と、一歩一歩前進しているとのことです。

 血統が魅力なデビュー前の2頭も紹介していきましょう。ジュテパッセ(牝、父ロードカナロア、母ザレマ)は、11月29日にゲート試験に合格して、その後は放牧を挟んで2月1日にデビューに向けて帰厩してきました。母は09年の京成杯AHの勝ち馬で、重賞戦線で活躍した実力派です。2月5日に美浦・坂路で1本目の追い切りを行い、55秒2―12秒5で一杯に追いました。林師は「さばきの硬いところがありまして、進めるのに時間がかかりましたが、じっくり乗り込んでいただいて体力がついてきました。1本目で及第点の内容でしたし、乗り込んでいってスピード面を強化していければと思います。おくてのタイプですけど、だんだん良くなっていくと思います」と素材を評価しています。

 ラジャアンパット(牝、父サートゥルナーリア、母パシフィックギャル)は、米G1を3勝しているアイランドファッションを祖母に持つ良血馬です。母のきょうだいには18年の共同通信杯、20年の金鯱賞でいずれも2着に好走したサトノソルタスなどがいますね。左前の膝の不安で慎重に調整を進めてきて、1月25日に帰厩しています。2月5日は美浦・坂路で54秒7―12秒0を馬なりでマークして、ジュテパッセに先着しています。指揮官は「今週は坂でいい動きをしていまして、ポテンシャルはありますね。馬はいいと思います。いいものを持っているので、どうやって進めていくかオーナーサイドと相談しながらやっていきたいです」と語っていました。2回中山開催の前半あたりでのデビューが候補に挙がっているようで、2頭とも血統的に気になる存在ですね。

 それでは今日のところはこのへんで。

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