◆第63回アメリカJCC・G2(1月23日、中山、芝2200メートル)
古馬のスター候補が覇を競う第63回アメリカJCC(23日、中山)で、20年5月に4連勝で目黒記念を制したキングオブコージが、復活Vを狙っている。同年秋は京都大賞典で3着に入り、飛躍を期待されながら骨折が判明し、長期休養を余儀なくされた。それでも約11か月ぶりをひと叩きした直後の前走(中日新聞杯)では残り100メートルまで2着争い。安田翔調教師は「安心しました。前半かかりましたが、最後まで踏ん張れました」と0秒3差の5着に、復調の兆しを感じ取る。
その後は久しぶりに在厩で調整し、13日に2頭併せで1週前追い切り。栗東・CWコースで先行して、馬なりで6ハロン83秒2―11秒6の脚力を見せた。騎乗したトレーナーは「コンディションはいいですよ。いい意味でとぼけた面があった馬が、この中間は初めてやる気になっているんです」と指摘。そんな精神面を踏まえ先週の日経新春杯に出走するプランもあったが、21年のフェブラリーSで8番人気のワンダーリーデルで3着に導くなど、安田翔厩舎と抜群のコンビ相性を誇る横山典の進言でアメリカJCCに切り替えた。
トレーナーは「ハンデ戦の中京だと、前走のようにかかる可能性もありますからね。別定戦でメンバーも予想しやすい中山(のコース形態)ならリカバリーしやすいので」と鞍上の狙いを説明した。一方で「一皮むけたのか気負っているのか、ジャッジが難しいです」と馬のやる気が逆方向に出る心配も隠さなかったが、だからこそ横山典が頼りになる。今年も安田翔厩舎の馬で4戦2連対と好相性キープのベテランが、キングオブコージの反攻を強烈に後押しする。(玉木 宏征)