◆ジャパンC追い切り(23日・栗東トレセン)
第42回ジャパンC(27日、東京)の追い切りが23日、東西トレセンなどで行われた。日本ダービー制覇の舞台で復活のG1・3勝目を狙うシャフリヤールは、栗東・坂路で54秒7―12秒1の加速ラップを計時。5着に敗れた天皇賞・秋からの上昇を示した。
冷たい雨がしとしとと降る栗東・坂路。シャフリヤールが貫禄たっぷりに姿を現した。Cデムーロを背に僚馬を1馬身追走。後半から馬体をぴたりと並べ、しなやかな身のこなしを披露した。機敏に四肢を回転させ、54秒7―12秒1で併入。藤原調教師は「こういう動きをするという予想にマッチして、いい調教だった」と納得の表情を浮かべた。
今秋は主に岩田望、福永が調教をつけていたが、この日は4戦連続コンビとなるCデムーロが騎乗。日本で追い切りにまたがるのは初めてで、トレーナーは「クリスチャンに自信を持ってもらうため」と意図を明かした。鞍上も「前走の時より前向きで、元気が良かったです。状態は良いと思います」と手応えを得た。
プリンスオブウェールズS・英G1(4着)の直後からジャパンCを最大目標に置いたが、状態が良かったため天皇賞・秋にも参戦。パンサラッサが超ハイペースで逃げるなか、後続はスローという特殊な展開で5着に敗れた。指揮官は「瞬発力が取りえなので、そこを生かせなかった。本当は結果が出てほしかったけど、メイチでもなかったので悲観はしていない」と意に介していない。
もちろん収穫もあった。4か月半ぶりを叩いたことで「気持ち、体力、筋肉。全てにおいて上昇している感じ」と、さらに進化。「ダービーを勝っていますし、末脚が生きるということで、しっかり折り合ってためて、というところの方が走りやすいと確認できた」。東京・芝2400メートルこそがベストと再認識し、満を持しての参戦だ。
外国馬4頭のうち3頭がG1覇者。一筋縄ではいかない相手だが、ダービー、ドバイ・シーマクラシックを勝った実績は勝るとも劣らない。「他馬というより自身との闘い。人馬一体で、今回は走り切ってほしい」。日本の総大将が、意地を見せる。(水納 愛美)