◆第40回フェブラリーS・G1(2月19日、東京競馬場・ダート1600メートル)
福永祐一騎手(46)=栗東・フリー=が調教師転身を前に、ジョッキーとして活躍する姿を国内で見られるのは、今週の土曜阪神、日曜東京が最後。ラストG1として、オーヴェルニュをパートナーに臨むフェブラリーSは、昨年のカフェファラオを含む過去2勝。大混戦必至の今年、3勝目での派手なエンディングに、ユーイチ自身も意欲的だ。
調教師試験の合格発表から2か月余り。引退の時期が迫っても、福永はジョッキーとして進化を続けている。「今は馬にとって一番いい乗り方ができている。昨年より今年の方がいい。(馬上で)ガチャガチャしてへんやろ? まだまだうまくなれると感じる」。13日現在で17勝は全国リーディング5位。国内ラストライドとなる「2・19」を充実した状態で迎える。
フェブラリーSは05年のメイショウボーラー、昨年のカフェファラオで制している。3勝目と連覇も懸かる今年はオーヴェルニュ。一昨年の平安SでレコードVに導いたスマートファルコン産駒とは、昨年6月以来のコンビ。9日に栗東・CWコースで1週前追い切りにまたがり、「身のこなしがすごく良かった。(ラストは)さすがの伸び。使ってきているから体もできている」と上々の仕上がりを確認した。
一昨年は13着と大敗したレースだが、見直せる材料はあるとみる。「あの時は状態はひと息だったみたい。度外視していい。スピードがあるから、1600メートルが合う可能性はある。ペースが速くなれば後ろからでも競馬ができるし、調教通りなら切れる脚も使えると思う」と好走へのイメージを膨らませた。23年のG1開幕戦は絶対的な主役不在。「混戦やしな」と波乱演出へ意欲を見せた。
自身の引き際については「まだ考察中だけど、『終わる』いう感覚ではなく、次に行くという感じ。自分の中でさみしいというのはない」と明かしたユーイチ。デビューから27年間で培った技術と経験を総動員して、たくさんの思い出が詰まった府中で最後の大一番を戦う。(吉村 達)