◆第41回中山牝馬S・G3(3月11日、中山競馬場・芝1800メートル)
第41回中山牝馬S・G3(11日、中山)に、連覇を狙うクリノプレミアムがスタンバイした。この1年間は勝ち星こそないものの、2度のG1参戦など着実に経験と実績を積み重ねて存在感を増してきた。昨年は15番人気の伏兵だったが、今年は主力として挑戦者を迎え撃つ。
前走の中山金杯は前が詰まりながらも末脚を伸ばして鼻差の2着。伊藤伸調教師は「見ての通りだよ。いい競馬はしてくれたけどね」と、惜しい内容を苦笑いで振り返る。一方で「実績ある馬なんだけど…」と7番人気にはやや不満顔。確かに昨年V以降の計7戦は6番人気の福島牝馬S2着、7番人気の京成杯オータムH3着など、ヴィクトリアマイルの15番人気16着を除いて常に人気を上回る結果を残してきた。今回は実績上位。支持を集めるのは確実で、1年ぶりの勝利が強く求められる。
1日の1週前追い切りは美浦・Wコースを馬なりで6ハロン82秒5―11秒7。トレーナーが「いつも通りだし、あと1回やれば整うよ」と自信をのぞかせるように、6歳になっても元気いっぱいだ。トリッキーなコースにも「中山ではいい競馬をしてくれているし、レースがうまいからね」と不安はない。カギは「1回ですぐスイッチが入っちゃうから、追い出すタイミングが大事」という気性面だが、Mデムーロの継続騎乗は好材料。昨年覇者として、人気に応える態勢は整っている。(角田 晨)