◆金鯱賞追い切り(8日、栗東トレセン)
4戦4勝の中京マイスターが強敵撃破をもくろむ。第59回金鯱賞・G2(12日、中京=1着馬に大阪杯への優先出走権)で重賞初挑戦するヤマニンサルバムは、栗東・坂路でフォイアーロート(5歳3勝クラス)を4馬身追走する形での最終追い。楽々と並びかけると、最後まで持ったままで53秒3―12秒1のタイムで首差先着した。「重賞だからといって、変わったことはしません。いつも通りのメニューですが、動きは良かったです」と管理する中村調教師は冷静にうなずいた。
昨年2月で解散した浅見厩舎からの転厩時は3戦未勝利の身だったが、「来たときから期待していました」とトレーナー。昨年5月の1400メートルでの初勝利以降、「レースぶりが距離が延びても良さそうだったので」と中距離での資質を見抜いて起用し、勝ち上がってきた。
昨年暮れから今回と同じ中京の2000メートルで2連勝し、オープン入り。続く前走の白富士S(3着)は窮屈な位置での競馬を強いられてしまった。4戦連続のコンビとなる浜中は「スムーズではないのに差のない競馬で、(オープンでも)やれると感じた」と振り返る。続けて「重賞を勝ったりするような、期待を持てる馬。気に入っている馬だし楽しみ」と相棒への期待は大きい。
昨年は厩舎開業一年目で17勝を挙げた中村厩舎。同時期開業の調教師5人の中でトップの数字で、今年もすでに6勝と勢いがある。そんな新進気鋭の44歳が送り込む充実期の4歳馬。初の重賞制覇も決して夢ではない。(山下 優)