【ドバイシーマクラシック前哨戦分析】日本調教馬5頭が出走 海外競馬通・成田幸穂がG1ブリーダーズCターフを分析

 ドバイワールドCデーが3月25日にUAE・ドバイのメイダン競馬場で開催される。小欄ではG1ドバイシーマクラシック(芝2410メートル)のステップレースとして、レベルスロマンス(セン5歳、UAE・アップルビー厩舎)が勝った昨年11月5日のG1ブリーダーズCターフ(米キーンランド競馬場・芝12ハロン=13頭立て)を取り上げたい。

 レベルスロマンスは後方10番手を追走し、最終コーナーで進出。直線では抜群の末脚を披露し、先行勢をまとめて差し切った。勝ち時計は2分26秒35(良)。コースレコードを更新しての勝利だった。

 2馬身1/4差の2着にアイルランド調教馬で仏G1サンクルー大賞2着の実績を持つストーンエイジ。米G1ジョーハーシュターフクラシックSを制した牝馬ウォーライクゴッデスが3着に入った。2021年のG1ドバイシーマクラシックを含めてG1・3勝のミシュリフは4着まで。勝ったレベルスロマンスと馬体を併せる形で直線に向いたが、ピークを過ぎていたのか完全に伸び負けた。

 レースラップを振り返ると、前半4ハロン(800メートル)が49秒42、中間4ハロンが49秒50、後半4ハロンが47秒43。スローペースだったが、問答無用の決め手を繰り出したレベルスロマンスが実力的に抜けていたということだろう。

 レベルスロマンスは3歳時、日本のピンクカメハメハが勝ったサウジダービーで4着となり、続くG2UAEダービー(ダート1900メートル)でリベンジを果たす勝利をつかんだ。それ以降はダートで結果が伴わなかったが、初の芝レースとなった昨年6月のフレッドアーチャーS(リステッド、12ハロン)ではいきなり3馬身3/4差の快勝を収めた。

 芝路線に転向したあとは、英G3グロリアスS(芝11ハロン218ヤード)、さらにドイツでベルリン大賞、オイロパ賞と芝2400メートルのG1を連勝。芝ではG1ブリーダーズCターフを含めて5戦無敗としている。

 G1ドバイシーマクラシックへ向けた展望としては、レベルスロマンスは有力候補だ。G1オイロパ賞で稍重もこなしているが、本質は良馬場向き。速い時計も出やすいメイダンの芝は合うだろう。ただし、中間に左前肢の負傷で予定していた前哨戦を回避するアクシデントがあった。実力は確かだが、状態面に不安を残している。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。3月25日(土)23時00分から、ラジオNIKKEI第1「ドバイワールドカップデー実況中継」に出演予定。

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