【ドバイターフ前哨戦分析】3連覇に挑むロードノース…昨年のG1ドバイターフを振り返る

 ドバイワールドCデーが3月25日にUAE・ドバイのメイダン競馬場で開催される。今度のG1ドバイターフ(芝1800メートル)は、日本勢が強力な布陣となっているが、3連覇に挑むロードノース(セン7歳、英・ゴスデン厩舎)も依然侮れない。そこで小欄ではロードノースと日本のパンサラッサによる同着優勝となった昨年のG1ドバイターフ(14頭立て)を振り返ってみたい。

 昨年はまずまずのスタートを決めたパンサラッサがハナへ。ロードノースは2021年と同様に中団外めを追走し、最終コーナーも外を回って進出した。パンサラッサが最後の直線で後続を突き放しにかかり、ロードノースも猛然と追い上げる。大接戦のゴール前では、馬群をさばいて伸びたヴァンドギャルド(牡7歳、栗東・藤原英昭厩舎)も加わって3頭横並びでゴールを迎えた。結果はパンサラッサとロードノースの同着優勝となった。勝ち時計は1分45秒77(良)。

 レースラップを振り返ると、前半800メートルが47秒06、後半800メートルが47秒52。前後半のラップタイムをほぼイーブンに保ち、パンサラッサの能力を出し切った吉田豊騎手の手腕は見事というほかない。一方、スローペースからの瞬発力勝負だった2021年とは全く違うレース展開でも、首位を譲らなかったロードノースとデットーリ騎手のコンビもさすがだ。吉田豊騎手とデットーリ騎手が表彰式で、互いの健闘をたたえ合いながら一緒にトロフィーを掲げる光景はこの開催屈指の名場面だったと思う。

 その後のロードノースだが、3走前の英G1プリンスオブウェールズSは、鞍上がゲート入りの際に着けた覆面を外し損ねてスタートで出遅れる凡ミスで最下位5着。2走前の英G1エクリプスSでは、G1仏ダービー馬でのちにG1凱旋門賞2着となるヴァデニから1馬身差の4着だった。

 長期休養を挟んだ前走2月25日の英G3ウィンターダービー(オールウェザー10ハロン)では、相手に恵まれたとはいえ3馬身1/4差の完勝。このレースを使ってG1ドバイターフに臨むのは昨年と同じだが、当時は2着だった。2年連続で壮行戦の手綱を取ったハヴリン騎手はロードノースについて「昨年よりも状態が良い(英レーシングポスト)」とコメント。社交辞令はあるにしても、初の3連覇へ向けて順調のようだ。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。3月25日(土)23時00分から、ラジオNIKKEI第1「ドバイワールドカップデー実況中継」に出演予定。

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