◆第67回大阪杯・G1(4月2日、阪神競馬場・芝2000メートル)
第67回大阪杯・G1(阪神・芝2000メートル)が4月2日に行われる。ヒシイグアスの手綱を執る松山弘平騎手(33)=栗東・フリー=は、管理する堀宣行調教師(55)の馬で今年早くも重賞2勝。「そもそもすごいと思っていた」と話す相棒とともに混戦を断つ。
ヒシイグアスの重賞全3勝の手綱を執っている松山。前走の中山記念は、21年の天皇賞・秋5着以来、4戦ぶりのコンビ。21年の中山記念は4番手から制したが、今年は中団より後ろから運んで勝った。
「天皇賞・秋は正直、状態はあまり良くは感じなかったです。それがあっての中山記念でしたが、返し馬で良くなっているのを感じました。とにかく、リズム良く競馬しようと思いました。風がすごく強かったですし、できれば馬群に入れたいなと。そのぶん脚もたまって、直線に向いてから追い出す余裕がありました」
昨年の大阪杯は4着ながら0秒3差。その後の宝塚記念も0秒3差の2着だった。阪神が舞台のG1で連続好走しており今年こその期待は膨らむが、宝塚記念の後に、馬は重度の熱中症で生死をさまよっていた。
「よくここまで立て直して、勝てるところまでつくってくれた厩舎はホントにすごいなと。さすがだなと思いました。1800メートルよりは2000~2200メートル向き。天皇賞・秋は5着にきたのがそもそもすごいと思っていました。あっ、この状態で5着に来られる馬ってホントに力があるな…と。前走も改めて力があるなと思いましたから」
ヒシイグアスを管理するのは、ここまでG1・14勝の美浦・堀厩舎。松山とのコンビで20年11月29日のウェルカムSを勝ったが、これが同厩舎の馬での約7年9か月ぶり勝利だった。
「12年頃には結構乗せてもらっていましたが、あの勝利をきっかけに依頼してもらう頻度が増えたのは間違いないです。デアリングタクトで出走するジャパンCの1つ前のレースだったので『勝ってJCに弾みをつけたい』とすごく思ったのを覚えています。結果的にそのときのジャパンCは3着に負けてはしまいましたが、そこから(ヒシイグアスが)思い入れがある馬になりました。(皐月賞で騎乗予定の)タスティエーラも含めて、堀厩舎とつながりをつくってくれた一頭です」
昨年10月以降は、サリオスでの毎日王冠・G2も含め堀厩舎で6勝を挙げ、2位の栗東・杉山晴厩舎を上回る。堀厩舎サイドからしても2位のムーア、菱田の4勝をしのぐ最多勝利騎手だ。ヒシイグアスと挑む大阪杯に力も入る。自身も21年チャンピオンズCをテーオーケインズで勝って以降、JRAのG1勝利から遠ざかっている。
「(ヒシイグアスについては)まだ良くなるとは感じています。完璧な状態ではなかったので。ただ、調整の難しい馬でもあると思いますので…。(自身のG1については)悔しいレースもありました。どのレースも勝ちたいですが、やっぱりG1は僕の中でも特別です。またG1を勝てるようなジョッキーになりたいし、堀厩舎にこれだけ乗せていただいて、しっかり関係者の期待に応えたいです」(構成・玉木 宏征)
◆松山 弘平(まつやま・こうへい)1990年3月1日、神戸市出身。2009年3月に栗東・池添兼雄厩舎からデビュー。JRA通算1043勝(26日現在)。20年の牝馬クラシック3冠(デアリングタクト)など重賞37勝(うちG1・5勝)。21年9月19日の中京6Rで、JRA通算1万回騎乗を史上最速および最年少となる31歳6か月19日で達成。20年からJRA年間100勝を継続中。167センチ。血液型はB。開催日は姉がバレットを務める。