【香港マイル能力分析】G1レース3連勝中のゴールデンシックスティ、不安は年齢だけか

芝コース速いで時計を出したゴールデンシックスティ(カメラ・高橋 由二)
芝コース速いで時計を出したゴールデンシックスティ(カメラ・高橋 由二)

 G1香港マイルが12月10日に迫った。過去5年の調教国別成績を見ると、香港が4勝、2着4回、3着2回と優勢。日本が1勝、2着1回、3着2回で追う形だ。地元のG2ジョッキークラブマイル組については前哨戦分析をご覧いただくとして、小欄では他の有力馬をチェックしたい。

 近3シーズン連続で香港年度代表馬に輝くのがゴールデンシックスティ(セン8歳、香・ルイ厩舎)だ。昨年の香港マイルこそカリフォルニアスパングルの逃げ切りを許して2着だったが、その後はG1・3連勝。特に3走前のG1スチュワーズC(芝1600メートル)では、2着ロマンチックウォリアーと3着カリフォルニアスパングルの2強を撃破し、王者の貫禄を示した。

 ポイントは臨戦過程。これまでは11月のジョッキークラブマイルを使って本番を迎えていたが、今回は前走4月のG1チャンピオンズマイル以来7か月の休み明けとなる。グロリアスデイズが2013年に約6か月ぶりの出走で勝ったが、8歳という年齢的にも万全の状態で臨めるか不安を残している。

 セリフォス(牡4歳、栗東・中内田充正厩舎)は昨年のG1マイルチャンピオンシップを制覇。2着ダノンザキッドが次戦のG1香港カップでも2着に好走したことを基準にすれば、本馬も地元勢に気おくれすることはないはずだ。差し追い込み馬が台頭する中、好位からしぶとく伸びた前々走G1安田記念(2着)の走りを高く評価したい。

 ディヴィーナ(牝5歳、栗東・友道康夫厩舎)は前々走のG2府中牝馬Sで速い上がりを駆使して逃げ切り勝ち。前走のG1エリザベス女王杯(7着)は結果的に距離が合わなかったか。夏場のG3で2着2回、G1ヴィクトリアマイルで0秒2差4着と善戦した1600メートル戦で巻き返しを見込む。

 前走G1マイルチャンピオンシップ1着ナミュール(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)、同2着ソウルラッシュ(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)、同5着ダノンザキッド(牡5歳、栗東・安田隆行厩舎)も当然、見劣りしない。ただ、いずれも外めのゲートを引いた。近年の香港マイルにおいて、ふたケタ番号のゲートから勝利を収めた日本調教馬はモーリスだけである。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月10日(日)16時45分から、ラジオNIKKEI第1「香港国際競走実況中継」に出演予定。

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