【香港マイル前哨戦分析】11月19日のジョッキークラブマイル・G2を海外競馬通・成田幸穂が解説

落ち着いた様子のナミュール(カメラ・高橋 由二)
落ち着いた様子のナミュール(カメラ・高橋 由二)

 香港国際競走が12月10日に香港のシャティン競馬場で行われる。小欄ではG1香港マイル(芝1600メートル)へ向けたステップレースとして、11月19日のG2ジョッキークラブマイル(シャティン競馬場・芝1600メートル、5頭立て)を取り上げたい。

 ジョッキークラブマイル組は過去5年の香港マイルで【4・4・2・12】。2020年から昨年まで、3年連続で同組によるワンツーフィニッシュとなっている。また、ジョッキークラブマイル1着馬は本番で【3・2・0・0】と、5年連続で連対中だ。本番に直結する重要な前哨戦と言える。

 今年勝ったのはビューティーエターナル(セン5歳、香・サイズ厩舎)。道中4番手を追走し、楽な手応えのまま最終コーナーでポジションを押し上げると、先行勢をあっさりと交わして決着をつけた。勝ち時計は1分33秒04(良馬場)。

 ビューティーエターナルは昨シーズン終盤、G3ライオンロックトロフィー(芝1600メートル)とG3プレミアC(芝1400メートル)を連勝。1シーズン7勝は、かつてのマイル王ビューティージェネレーション、現スプリント王者ラッキースワイネスの8勝には及ばないが、2012年の香港マイル優勝馬アンビシャスドラゴンや2011年のG1香港スプリント2着馬エントラップメントと並ぶ記録。G1級の能力を備えている可能性が高い。

 最後方から追い上げたビューティージョイ(セン7歳、香・クルーズ厩舎)が短頭差の2着。昨年の香港マイル4着、今年のG1チャンピオンズマイル2着とG1でも良績を残している一頭だ。

 案外だったのがカリフォルニアスパングル(セン5歳、香・クルーズ厩舎)。昨年の香港マイルを制したあともトップクラスで安定した走りを見せていたが、ここはまさかの4着に敗れた。

 レースを先導したカリフォルニアスパングルの前半800メートル通過が47秒26と、少頭数の割には速いペース。他の4頭より2キロ重い58キロを背負っていたとはいえ、3着は守ってほしかったところだ。

 ただ、シーズン初戦のG2シャティントロフィーではトップハンデ61キロを背負って勝利。その時の3着ビューティーエターナル(56キロ)に1馬身半差をつけた。本番では香港マイル2勝を挙げるスミヨン騎手とともに巻き返しを期する。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月10日(日)16時45分から、ラジオNIKKEI第1「香港国際競走実況中継」に出演予定。

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